【土方十四郎】きこえますか 2

おにぎり ページ11

「…うう、は」




目を開けると見知らぬ天井



じゃねぇ


ここは俺の部屋だ






顔の周りが濡れているのは気のせいか

　

ガラッ


障子が開かれ、部屋に入ってきたのは



「…！」



「ユキ…」


だった



『具合はどうですか？』


そばに駆け寄り俺に尋ねる
心配と不安が入り混じった表情だ




馬鹿野郎、、、心配させてどうする
自分の体調は自分が一番わかってたはずなのに


すると




『あ、あの…』


俺の方におぼんを向ける




『何か食べた方がいいと思って』

それは不恰好なおにぎりだった
三角形というより円形に近い




「…お前が作ったのか？」



「はい」の代わりに首を縦に振る



『あ、食欲がなかったら、無理してたb「昼飯食ってねぇから食べる」


起き上がって、おにぎりをとる


『女中さんがいなくて自分で作りました…』


『下手でごめんなさい』と付け足すユキ



「下手じゃねぇよ、具が崩れてないんだぞ
　初めてにしては上出来だ」


パクッ


「…！」


「…」汗


「…うめぇ」


本当に自分1人で作ったのか？
疑問に思うぐらいうまい


そしてまた口に運ぶ



もう一口





気づけば全て平らげていた





＊ ＊


『土方さんが寝るまでずっとここにいます』



「いや逆に眠れねぇよ、子供じゃねーんだから」


「…」ムス



「はぁ…わかったよ、お前の気がすむまでここにいろ」


「…！」



全く…











「…」スー



「お前が先に寝るのかよ」

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