├みだれ髪〖千切豹馬〗 ページ1
「髪切ってもらっていいですか……!?」
放課後にAから、突然そう言われたのがついさっき。
「──は?」
「あっ、別に変な意味じゃなくて……。」
「いや、そういうことじゃなくて。──はぁ……。他にも女子いただろ。なんで俺なんだ?」
というか、そもそも髪を切るのに変な意味もクソも無い。
こいつは俺のことをなんだと思っているのだろうか。
「あー……。いるにはいるんだけど。皆キラキラ女子すぎて、お近づきになれないというか……。髪切ってもらえそうにないというか……。」
「ふーん。友達とかに頼めば良かったんじゃ?」
「友達はみんな部活やらバイトやらで忙しいらしくて。私以外の友達、運動部なんだよね。」
「……ってわけで、俺に頼んだのか。」
「はい、間違いありません……!」
Aはそう言って、首を縦に振った。
綺麗な髪が彼女の動きに合わせて揺れている。
「別に良いけど。特に用事無いし。」
「本当……!?あっ、ありがとう!」
大きな瞳は輝き、美しい髪は再び靡いている。
その姿は、御伽噺に出てくるような可憐な少女そのものだった。
「じゃ、決定ね。俺の家集合で良い?」
「うん……!あ、でも私、千切くんの家どこか分かんないよ?行ったこともないし……。」
「あー……。それなら、地図でも渡しとくよ。適当なやつだけど。」
「分かった。それ使って頑張ってみる。」
「頑張って"みる"じゃなくて、頑張って貰わないと困る。俺の予定潰れるし。」
「はい、頑張ります……。」
さっきの元気な姿はどこへやら、今はすっかりしょげてしまった。
まぁ、こうなったの俺のせいなんだけども……。
元気な姿もしょげた姿も、まるで犬みたいだ。
「……ほら、地図。じゃあ6時に俺の家集合。オッケー?」
「はい、了解です……!」
そう言ってAに地図を渡した直後、俺たちは解散した。
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おかいあげ(プロフ) - わわわさん» お褒めの言葉、ありがとうございます😭😭リクエスト、とても嬉しいです……!気長にお待ちいただけますと幸いです🙇♀️ (6月9日 22時) (レス) id: 14fd16cdce (このIDを非表示/違反報告)
わわわ(プロフ) - マジ好きです…!!リクエストで「玲王以外の男子に義理チョコをあげていたら」でお願いします!!恋人設定でお願いします!!あ、お気に入り失礼します!! (6月9日 20時) (レス) id: 25bccbe9da (このIDを非表示/違反報告)
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