28.孤独を知らない ページ30
花桐SIDE
千冬、少女漫画とか読むのね。私は女の子だけどそういう漫画は一度見たことはなかった。家には小説ばかりだったし。私は東野圭吾さんのミステリー小説が大好き。
「紫苑が私に恋愛感情を持つわけないじゃない。ねぇ、紫苑?」
紫「どうだろうな。仮に好きだったとしても、言わないよ」
何その答え方…、すごい困るんだけど。…結局どっちなのかな。
葵「Aちゃんを好きなのは私なんだけど」
桔梗が私の腕を掴んで紫苑にベーっとした。可愛い嫉妬。
椿「…俺も好きだよ。俺ら二人、助けられてる身だし」
両手に花…?…とは違うけど、とても大事にされている感じがして心が温かいわ。
マ「Aは孤独じゃないんだね」
…!…そうなのよね。誰も置いていかないことを目標にこのグループを結成したけど、私自身が孤独を知らないからすごい難しいの。本当に誰も孤独を感じていないか…、毎日心配。
三「Aって姉弟いねぇの?」
「多分一人っ子だと思うけど、もし両親がどっちか離婚していたらわからないわ」
ム「一緒に住んでないのか」
「…もういない。事故で死んじゃった」
両親がいなくても私には友だちがいた。どんな時でも隣にいてくれる人がいたから…。
パ「悲しくなかったのかよ」
「…大嫌いだったから」
ペ「……嫌いだとしてもよ、死んだら悲しくねぇか?」
…わからない、あの時のことは紫苑がいなくなってしまうかもしれないという恐怖の方が大きかったし、両親が死んだことに関してはそこまで大きな感情が出てこなかった。
「それよりも驚きが勝っちゃったから」
ペ「そーかよ」
殺された、なんて口が裂けても言えない。だって…、両親を殺した人が目の前にいるんだから。全く恨んでないの、恨むどころか感謝してる。紫苑は私を解放してくれた恩人。
紫「……」
紫苑は何も言わない。…言った方が困るけど。
椿「ふわぁ…、眠くなってきた…」
「時間も遅いし、そろそろ解散しよう?」
マ「そうだな、じゃあ解散!」
東卍の子たちはバイクに乗って帰るのかな。私たちは電車で来ちゃったけど。
「みんな、帰ろっか」
紫「そうだな」
葵「私ももう眠い」
桔梗とさっちゃんが家が近くて、私は紫苑と近い。椿、すいちゃんはもう少し遠くにある。
マ「何かあったら緊急招集かけるから。連絡先交換しとこ!」
「あ、確かにそうね」
佐野と連絡先を交換して、私は紫苑と一緒に家に帰った。
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:suffron* | 作成日時:2022年9月19日 20時