22.東京卍會の集会 ページ24
花桐SIDE
1週間後…、私は完全回復とまではいかないけど退院できるぐらいには治った。でもまだ激しい運動は避けなさい、だそう。
そして今日は退院日兼東卍の集会。これからのことについて仲間たちに話すらしい。
マ「A!こっち」
「佐野」
マ「だからマイキーって呼べ!」
「マイキー?…あまり他人をあだ名で呼ぶことがないから不思議ね」
私が佐野をマイキーと呼んであげると、佐野は嬉しそうに笑った。無邪気。
下の子たちはみんな「総長、お疲れ様です」と声を揃え、通る道を空けていった。佐野の隣には龍宮寺もいる。私たちとは…全然違う。
マ「今日集まってもらったのはほかでもない、羅賦良簾との抗争についてだ!まず羅賦良簾の首領、Aより話がある!」
私は階段の一番上に立ち、みんなに頭を下げた。声を張り上げるのは辛いから、出来るだけ腹筋に力を入れないように声を出す。
「こんばんは、みなさん。羅賦良簾の首領、花桐Aです。先日の抗争で私たち羅賦良簾は東京卍會に敗北しました」
羅賦良簾の下の子たちから戸惑いの声が聞こえ、東卍の方からは私たちを嘲け笑うような声が聞こえてくる。ここで喧嘩が怒らないと良いけど。
「負けたグループは勝ったグループの下につく、きっとみなさんにとってこれが当たり前のことでしょう…」
東卍の声がさらに大きくなり、私はこれ以上の大声を出せなくなった。
マ「静かにしろ!!」
…!佐野の一喝で…。
「ありがとう、マイキー。…私たち羅賦良簾は東卍の下にはつきません。これはマイキーからの提案です。羅賦良簾と東京卍會の混合グループはどうか。…生憎私は生死の境を彷徨っていたのでその話に立ち会うことはできませんでしたが、幹部の一人が話し合ってくれました。私はこの提案に賛成します。負けたグループに発言権はありませんが、これは勝ったグループの総長から持ち掛けた話です。…みなさんの意見を聞きたい。…私からの話は以上です」
一気に話したから酸素が足りていない…。私はその場に座り込んでしまった。
マ「ありがとう。…この提案に異論がある奴は前に出てこい!!」
誰も前には出てこない…、当たり前か。心の中ではよく思っていなくても、総長に逆らえるほどの意見と根拠がない子ばかりだものね。私たちの方は幹部の子たちは大丈夫そうだけど、下の子たちはどう思っているのかな…。
「反論する人は…誰もいないみたいね。マイキー」
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年9月19日 20時