35.出ていく者と入る者 ページ37
花桐SIDE
頬が見なくても感覚でわかるぐらい腫れている。刺されたことを知っているからか、お腹だけは殴られなかった。単に倒れた姿勢では殴りにくかっただけかもしれないけど…。
場「今また、しょぼい奴殴っちまった。大事な集会、ぶち壊した俺は今度こそクビか?」
…!?どういうこと!?
場「俺、芭流覇羅行くわ」
「…え…?」
嘘…でしょ…?ちょっと前まで一緒に話したり遊んだりしていたよね?
「…な…んで…」
場「壱番隊隊長、場地圭介は本日をもって東卍の敵だ!!」
言うだけ言って場地君は神社から出て行ってしまった。元々あまり読めない人だとは思っていたけど、ここまで理解不能だなんて…。
稀「おい、タケミッチ。顔と腹どっちがいい?」
武「え?何が?」
稀「オススメは顔かなぁ?…どっち?」
…こっちもこっちで荒れてるし。そんなにみんな芭流覇羅に対してストレスが溜まっているの?
…!殴り返しちゃった…。稀咲君が入ってきて一気に東卍がバラバラになった…、この人は…何が目的でマイキーに近づいたの…。
「…あ、武道…!」
葵「まだ動いちゃ駄目…!」
殴られた衝撃で武道は気を失ってしまった。前の抗争ではどれだけさっちゃんに殴られても気絶しなかったのに…、こういう時は油断しているからなのかな。
マ「お前ら、今日はとりあえず解散だ!」
マイキーが何とかみんなを解散させ、残ったのは幹部たちとマイキーと気を失った武道だけだった。お通夜みたいな雰囲気はちょっと苦手。
マ「A」
「ん?なぁに?」
マ「場地の件…ごめん…。思い切り殴られたよな、まだ痛む?」
「大丈夫よ、不良なのに殴られるの慣れてないとかあり得ないわ」
正直に言えばまだヒリヒリはしてるけどさっきよりは全然マシな痛み。触ったら熱持ってるなぁ…ぐらい。でも…、一方的に殴られたのはあれが初めてだったわ。
マ「俺の夢って…一生叶わないのかな」
「東京卍會を日本一の不良グループにするっていう?」
マ「そう。簡単なことじゃないことぐらいわかってたけど」
…珍しく弱ってる。マイキーにとって場地君は本当に大切な人だったのね。それなら何としてでも芭流覇羅の抗争に勝って連れ戻さないと…。
マ「俺…総長向いてねぇのかな」
「そんなことない、マイキーは立派な総長よ」
マ「…!…ありがとな、A。…でも、抱きしめんのやめてもらっていい?5人からの視線がさっきから痛ぇんだ…」
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年9月19日 20時