11.大将首 ページ13
花桐SIDE
桔梗が刺された…。東卍の一人が「幹部取った」と喜んでいる声を聞いて、佐野を急いで吹っ飛ばして桔梗の所まで来たけど。
「桔梗…、桔梗!」
なんで…?なんで…、ナイフなんて使った?
葵「ゲホッ!ゲホッ!」
…っ…まだ生きてる。まだ…助かる。
私は一応持ってきていた治療道具をポケットから出して刺された腹部に包帯を巻いた。強めにまかないと圧迫できないから止血する意味がない。
「桔梗…大丈夫だから。死なせたりなんてしない」
葵「…A…ちゃ…ん…」
「しゃべらないで…。今、人気のない所に連れて行く。絶対安静、抗争が終わり次第すぐに救急車呼ぶから意識を何としてでも保つこと。いい?」
葵「ご…めん…」
桔梗は薄っすらと目に涙を浮かべて苦しそうに謝った。…謝らなくていいのに。悪いのは…ナイフを使った相手なんだから。
一旦撤退。桔梗はもう前線に立てない…。でも二番隊隊長と副隊長は既に気を失っている、一番隊も壊滅状態。…椿は龍宮寺と…。大丈夫かな…。
マ「勝手にどっか行ってんじゃねーよ」
「誰のせいとお思いで?貴方のお仲間さんが…卑怯なことにもナイフを使ったから…。桔梗は今瀕死状態。…貴方達には…心底興ざめです。失望しました」
マ「は?何言ってんの?」
「誰かが羅賦良簾の幹部をやったと血の付いたナイフを掲げながら喜んでいました。…それでも、使ってないと?」
怒り…、後悔…、殺意。…色んな感情が今頭の中で入り混じって飽和している。…他の感情が入る隙などない。
「…ふざけるのも…大概にしてよ」
マ「……。…!!」
私は怒りに任せて佐野の顔とこめかみを殴った。そして蹴りをお腹に入れ、頭を両手で挟んで思い切り顔面に膝を入れた。
「桔梗は…これ以上の辛い思いをしている。私、まだ本気の半分も出してないです」
私は目の前の佐野にしか意識が向いていなかった。だから…後ろからの奇襲攻撃なんて気づくわけがない…。
不「大将首も取っちまおうぜ!」
不「おう!」
ッ!後ろから羽交い絞めにされた…。抜け出せないようにうまく関節の部分を使ってる。
不「羅賦良簾ってよォ…、強請り、殺人、その他諸々…。犯罪に手を染めてんだろ?なら…これは天罰だよなァ!!」
…は?…私たちはそんなことしていない、抗争の時だって人を殺したことは一度もない。本当に昔、紫苑が人を殺して年少に送られたぐらい。
この人は…誰と勘違いしてる?
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年9月19日 20時