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歌姫SIDE
いくら感情を前より出せるようになったと言っても、まだまだだわ。こんな俺と付き合うなんてもったいない?自分を卑下するようなことをどうしてへらへら笑いながら言えるのか私には一生理解できないんだけど!
「そうね、私みたいな人はアンタと釣り合うわけない」
「ん?俺が歌さんと釣り合わないって言ってんだけど」
「それは私もよ」
「…わっかんないなぁ〜」
「何が?」
「歌さんの言動の意味。あのさ…俺単純だからそのまま受け取っちゃうんだけど」
その先の言葉に私は目を見開いた。
「俺と釣り合うなら付き合いたいって意味で合ってる?」
…!?!?
私が…、紬と付き合いたい?いや、確かにさっきいっそのこと付き合っちゃったほうが良いのかなーとかは思ってたけど!術師だもの、簡単に恋人を作るわけにはいかないわよね。紬の考え方は間違ってない。
「間違ってはない…けど。でもそうよね!呪術師はいつ死ぬかわからないし、もしかしたら今特級呪霊が襲い掛かってくるかもしれないし!」
「ふはっ!歌さんめっちゃ焦ってる〜、特級呪霊が今襲い掛かってきたとしても俺が必ず守るから。歌さん一人ぐらいなら余裕で守れるよ。実際にやり合ったことはないんだけどさぁ、五条に唯一敵う術師が俺だって噂が立ってんだよね。まぁ…それぐらい強いってことだから、安心して」
脆いのに強いのは…どうして?少し触ったら割れて散って…無くなってしまいそうな程に薄いのに。壊しても壊しても…すぐに治して立ち上がる。絡繰紬という人間が出来上がる…。でもそれは…、本当のあんたなのかしらね。本当に…人形みたい。…硝子の人形っていたかしら。
「私だって仮にも準一級なんだから戦えないことはないわ」
「うん、歌さんは強いからね。準止まりなのが不思議だ。…でも多分俺の方が強いよ?」
「わかってるわよ!そんなこと!」
私にはその自信があんたの本音なのかわからない、その笑顔の意味もわからない。わかったとしても…、あんたは私に隙なんて見せないから確信を持てないまま終わるんでしょうけど。
「あ、俺が歌さんを守って死にそうになってたら逃げてね?俺の命が無駄になるから」
「紬の意図は汲む、でも私は逃げないでそのまま応援を呼ぶわ。呪霊に食われるあんたなんて見たくない」
「俺食われる前提なんだ」
「私は先輩よ。後輩の死を見届ける義務がある、だから私は逃げない」
「…!そうか」
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suffron*(プロフ) - 水野さんさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しい感想です!頑張って矛盾が起きないように頑張ります! (2022年8月8日 22時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
水野さん(プロフ) - この小説、よく話が組み込まれていてすごい大好きです!これからも無理せず頑張ってください!💪💪💪 (2022年8月8日 21時) (レス) id: 67d79f5597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年8月5日 12時