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紬SIDE
…ヤバイ、俺マジでどうかしてる。危うく目つぶしする所だった…、怖がらせたな。
「ホント…ごめん…。ちょっと……、休んだ方がいいかな…」
今家には入りたくない、まだ死体の匂いが取れていないから。
「…そうね。…少し思ったことがあるんだけど、紬は依存していたんじゃない?」
依存…、家族に?…あり得ない話だ。一年に一度しか会えない家族に依存する程…。
…いや、していたかもしれないな。家族が俺にとって心の拠り所だったのなら、…それは依存していると言っていい。…俺の人格を狂わせるぐらいにね。
「じゃあ今度は歌さんに依存しようとしてるって?」
「それは…わからない。でも、無意識に私の頬とか目を触りたくなるのならちょっと重症かもね」
「…ん…、何か腑に落ちないな。…俺は綺麗なものが好きなだけなんだ。綺麗なものや大切なものは壊されないように保存したい。…狂ってんのは重々承知。あ、安心して。歌さんの眼をくり抜いたりとかは絶対しないから」
歌さんは俺の言ったことを想像してしまったのかブルッと体を震わせた。…あぁ、棘も前そんなことしてたな。俺に対して怯えていた。
「綺麗なものも大切なものも好きなものも…全部大事にする。…って言うのが多分俺の本能みたいな?…だから、家族を失った時に…大事に出来てなかった自分を責めた。…もっと強かったら、世界中を力でねじ伏せられるくらいの力があれば…ってさ」
「犬みたいね」
「…そうかもな」
犬も自分の宝物を見つからないように隠して守る習性がある。
「…私のことも大事にしたいものなの?」
「ものではないけど、大事にはしたい。だから、俺が守る」
「そんな風に笑って言われると普通に照れるわ」
俺の弱み知ってる人だし、先輩だろうが守るよ。
「…自意識過剰だったら謝るわ。…紬は私のこと好き?」
「好きだよ」
「即答…」
「好みとか特にないけど、こんなに優しくしてくれんの歌さんぐらいだし」
「聞いた私が馬鹿だった…、普通は“別に”とか“普通”とかってがっかりするようなことを言うはずなのに。…って、あんたはそういう人じゃなかったわね。自分には嘘吐くのに他人には嘘吐けないの…、ちょっとあり得ない」
がっかりするようなこと…?…歌さんは俺に好きだって言われて嬉しかったのか?…いや、普通は好きだとか言われた喜ぶか。やっぱりそういうところはまだよくわからねぇなぁ…。
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suffron*(プロフ) - 水野さんさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しい感想です!頑張って矛盾が起きないように頑張ります! (2022年8月8日 22時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
水野さん(プロフ) - この小説、よく話が組み込まれていてすごい大好きです!これからも無理せず頑張ってください!💪💪💪 (2022年8月8日 21時) (レス) id: 67d79f5597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年8月5日 12時