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紬SIDE
「はぁー、五条って昔っからこんなんだっけ」
覚えてないけど。
「性格?」
「そうそう」
「僕は元から優しいGLGだよ〜」
何がGLGだ…、確かに顔だけは良いけど。誰もが認めるほど良いけど。
…五条には俺が死んだこと言った方がいいのかな。知ってんの家入だけだからさぁ…、言った方が楽っちゃ楽だ。
「俺一回死んでるから記憶ねぇんだ、だから昔の五条の性格なんて全然知らね」
「…どゆこと?」
「そのまんまの意味だっての。…あの呪詛師に殺された」
「…え、え…っ!じゃ、じゃあ今ここにいる絡繰って…幽霊!?」
「だーかーら、俺は人形だ。兄さんに俺の人形を作ってもらったんだよ」
まだ呑み込めてないのか…、ここまで言ってるってのに。阿保だなぁ。
「限りなく人間に近い人形を俺たち絡繰家は作れる。…俺もついさっき作って来たばかりだ」
「へぇ……」
「五条に家族のことを聞いても良い回答なんて返って来ないだろうけど聞きたい」
五条にとっての家族は…一体どんな存在なのか。
「何々〜?」
「お前の家族が誰か死んだとして、俺がソイツの人形を作れと依頼を受けたとする。…歪な家族をお前は受け入れられるか?」
「僕は…どうでもいっかな」
…そうだよな、五条にとって家族はそこまで大切なものではなかったはずだ。死んでもきっと依頼すらしないだろう。
「何でいきなりそんなこと聞いたのー?」
「いや、俺の家族は歪な俺をどう思っていたんだろうなーって」
「別に好きなら気にしないんじゃない?」
「…そういうものか?俺は歪な家族は嫌だけど。だから…死んだ家族の人形を作らなかった。作りたくなんてない。…まぁ、寂しいものは寂しいけどな!」
あの家族は娘の人形を作ることを躊躇わなかった。それには俺もびっくり。…って兄さんも躊躇わなかったよな。あの時は俺も何とか意識飛ばさないように必死だったし、兄さんも俺の状態がわかっていなかったから焦っていた。
そうやって考えたら…、俺卑怯な方法で兄さんに俺を作らせてしまっていたんだ。
「絡繰って寂しいとか感じるの?」
「お前は俺を機械か何かかと思ってるだろ…。確かに前まではずっと人形でいるために感情を殺していたけど、歌さんに出していいって言われたんだ。…それ以来、一応感じたものは出すようにしてる。…それでも、たまに面倒になるけどね」
「そっかー、人形でいるのって面倒だし大変」
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suffron*(プロフ) - 水野さんさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しい感想です!頑張って矛盾が起きないように頑張ります! (2022年8月8日 22時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
水野さん(プロフ) - この小説、よく話が組み込まれていてすごい大好きです!これからも無理せず頑張ってください!💪💪💪 (2022年8月8日 21時) (レス) id: 67d79f5597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年8月5日 12時