裏切り者 ページ43
紬SIDE
呪詛師たちとつるんでいるならあいつらに連れ出された可能性もなくはないか。…メカ丸は本当に裏切ったのか?
なーんか、嫌な予感。
あいつらを…信じたら駄目だ。メカ丸の頭脳ならそれを逆手に取ることも出来るだろうけど、死ぬなよ。…死んだら霞が泣く。
「…メカ丸が今どこにいるのかはわからないんだな」
「そーみたい」
「………」
あいつら対メカ丸なら絶対にあいつらが勝つ。夏油は多分残穢を残さないために戦わないだろうけど。…真人の術式をメカ丸は知っている、避けられるかが問題。アイツの速度には緩急がある。…メカ丸が対策していればいいが。
「……今から京都に行っても遅いよなぁ」
「…飛ばそうか?」
「いや…いい。メカ丸は…歌さんたちが殺さなくても殺される」
死んで欲しくはないけど…、多分あいつらと対峙することになったら間違いなく死ぬだろうな。
「それってどういう」
「あくまで推測だ。…ただ」
「ただ…?」
「俺の嫌な予感はよく当たる。…今まで外れたことはない、百発百中」
「それ予感じゃなくて本当に未来が見えてるんじゃない?」
予知夢は見たことないし、占い師でもない。…何となく本能で感じ取る嫌な予感。それだけなんだよな…。ただ外れたことがない予感…、それはもう未来が見えていると言っても過言ではないけど。
「でも…俺の予感は自分には発動しない。他人のことだけ」
「それで誰かが助かったことはある?」
「…知らね。嫌な予感がするってだけで何が起こるかはわからないから。でも今回は…ちょっとメカ丸が危ないかもな」
今回の嫌な予感はメカ丸しかない、いつものは色々な人が関わっているから確信が持てないけど。
「助けに行こうって思わない?」
「裏切り者に…手なんて差し伸べねぇよ」
「辛辣だねぇ」
嘘だ、本当は今すぐにでも助けに行きたい。…でも今は…ただただ怖い。俺が行っても…あいつらからメカ丸を守れないんじゃないかって。
…怖いんだよ。
全部…妹に重ねてしまう。…特級並みの俺がこんな弱音吐いてられないんだけどさ。
「…何かあった?」
「何もねぇから…。…用はそれだけか?俺はもう行くけど」
「そうやって抱え込んだら…傑みたいになるよ」
「俺は呪詛師には絶対ならない。…もし揺らいだら俺は俺を壊す。…俺を直してくれるやつはもういないからな。そのまま魂と体が壊れて終わる。魂は…昇れない…」
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suffron*(プロフ) - 水野さんさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しい感想です!頑張って矛盾が起きないように頑張ります! (2022年8月8日 22時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
水野さん(プロフ) - この小説、よく話が組み込まれていてすごい大好きです!これからも無理せず頑張ってください!💪💪💪 (2022年8月8日 21時) (レス) id: 67d79f5597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年8月5日 12時