〃 ページ41
紬SIDE
そういや、人形師としての仕事久しぶりだったな。人形劇も最近忙しくてできていなかったし、今度いつもの公園のところに行くか。
…まだ残ってる。違うもの触ったのに。
「…ッ……、あ…ぁ…もう…っ…なんで…」
あの子の感触があまりにも妹に似ている…、俺が撫でたあの子は俺が作ったものなのに。…そっか、自分が作ったものだから…妹に無意識に似せてしまったんだ。
何も…似ていないのにな。
「_、___?」
「…呼んで…ないのに」
「______…、_____…」
「…!」
(ごめんなさい…、守れなくて…)
「…一旦戻れ、それ以上…俺を惨めにさせるな。お前のせいじゃないって…、何度言ったらわかる。お前らを作ったのは俺だ、お前らが妹を守れなかったのも俺に力がなかったせいなんだよ。…だから…もう…謝るな」
「…!_、__…!」
黙れよ…、これ以上話すな。
…俺のこの腐った感情でお前を壊したくない。壊したくないから、戻ってくれ。
「戻れ…」
「__…、__…________」
「そういうの…いいから。“戻れ”」
「…____」
メイデンは悲しそうな表情をして消えた。…ごめんな、お前に当たることじゃないのに。
「歌さん…、会いたいな」
…あの仕事を受けたことを後悔はしていない、むしろあの子の笑顔が見れて良かったと思っている。でも…、こんなになってしまうのなら…作らなかったほうが良かったのかもしれない。
「…駄目…だ」
俺は人形だ。…俺は…感情なんてやっぱり持ったら駄目なんだよ。
「…うん…、笑…っていよう。…これが…本当の俺だから」
消したい…、もう一度自分で記憶を消せるのなら…。
…あれ…?
俺…、前に記憶なんて消したことあったっけな。死んだときに失われた記憶以外に…俺が失ったものって…、何だったっけ。
「…まぁ…いいか」
…思い出せないのなら俺にとって大切なものじゃなかった記憶ってこと。無理に思い出す必要はないだろう、いずれ何かがきっかけで思い出すかもしれないし。
「あー、このまま寝たら眼腫れるだろうな」
どうせ2時間おきぐらいに目覚めるし問題ないか?
(瞑理ってんだ!)
…誰だ。
(めいって呼んでくれよ)
…めい…?…俺がよく寝言で言ってる奴か?
(紬、強くなれ。…俺の弟だからな、出来ないことなんてないはずだ!)
「待って…!瞑理!」
…!今の…。
65人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
suffron*(プロフ) - 水野さんさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しい感想です!頑張って矛盾が起きないように頑張ります! (2022年8月8日 22時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
水野さん(プロフ) - この小説、よく話が組み込まれていてすごい大好きです!これからも無理せず頑張ってください!💪💪💪 (2022年8月8日 21時) (レス) id: 67d79f5597 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:suffron* | 作成日時:2022年8月5日 12時