同期 ページ34
絡繰SIDE
「絡繰には…、理解できないかい？」
「理解、な。いや、出来る。…出来るわ。…でも、したくねぇ。裏切り者の同情なんて…死んでもしねぇから」
「そうだろうね」
俺がいつお前に攻撃を加えるかわからないってのに…、なんでこんな余裕そうに話せるんだ。…俺が悟に牽制されてると思ったら大間違いだ。傑の発言次第で俺の堪忍袋の緒は切れる。…既に切れかかってるってのに。
「少しだけ話そうか」
「…じゃあ質問。…なんで殺した」
「随分と直球だね。…そうだな、これ以上猿を守る理由がなくなってしまったから、って言う答えが一番じゃないか？」
「…非術師を猿呼びか。俺だって非術師は別に好きじゃねぇけど、お前はずっと非術師は守るべきものだと言っていただろ。…何が…あったんだよ」
本当に…変わってしまった。傑は…もう前の傑じゃない。
「九十九さんに言われたんだ。…猿共を守る私と殺す私、どちらを選ぶかは君次第だって」
「由基さん…、何てことを…」
全く…、あの人もあの人だからな。自由奔放で何を考えてるのか全然読めねぇ。
「ずっと悩んでた…ってことか。…ホント…、馬鹿真面目が。傑みたいな生真面目で賢い奴は考えすぎてしまう。…悟みたいにもっと能天気に考えればいいものを。…ま、それが出来なかったからこうなってんだよな」
「…わかってくれているじゃないか」
「…別に、わかってるつもりはない。…お前が抱えてるのはもっと大きくてどす黒くて…底なし沼の様に深いだろうから」
俺が死んで姿を消している間に何かあった。…多分それが傑が呪詛師になるトリガー…いわゆる起爆剤になってしまったんだと思う。
「あ…、言うのを忘れていたね。…天内理子が死んだ」
…誰だそれ。
「でも、他に星漿体は既に生まれていたらしく天元様が不安定な存在になることはなかった」
…星漿体か。俺の中にソイツが沁みついていなかったせいか、死んだ後の記憶には残っていなかった。
「…そうか、それは良かった」
俺は立ち上がった。…これ以上長居すると間違えて殺してしまいそうだ。
「…今日だけは見逃す。でも、次会ったら命はない。…悟にお前は殺させたくない、だから…俺がやる。いいな」
「…あぁ」
…気持ち悪い笑顔。…見たくねぇ。
傑に背を向けて俺は高専へ歩いた。
「…絡繰！」
「…あぁ…夜蛾先生。心配かけてごめ…」
言い切る前に殴られた。…いてぇ。
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suffron*(プロフ) - 水野さんさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しい感想です！頑張って矛盾が起きないように頑張ります！ (2022年8月8日 22時) (
レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
水野さん(プロフ) - この小説、よく話が組み込まれていてすごい大好きです！これからも無理せず頑張ってください！💪💪💪 (2022年8月8日 21時) (レス) id: 67d79f5597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suffron* | 作成日時：2022年8月5日 12時
