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紬SIDE
ずっと抱きしめてくれていた歌さんの手はとても心地好くて…温かくて…、俺にはもったいないくらいの優しさがあった。本当に…好きだなぁ…。
「……ッ…はぁ…、こんなに…泣いたのは…初めてかも…」
「辛いときは我慢する必要なんてないのよ」
「我慢…じゃないんだ…。…俺は今までのでいいと思っていたから…」
「でも心の何処かでは変わらないとなって思っていたでしょ？」
…どう、なんだろうな。自分のことなんてどうでもよかった。呪霊を祓って非術師に必要とされることだけが俺のアイデンティティみたいなものだったから。
…実際に体も人形みたいだし、昔から誰かの言いなりになることが多かったからどうせなら心まで人形になってしまえば楽だなって…いつの間にか思ってしまっていた。…楽になりたかった。
「…さぁ…な。…まぁ……もうちょっとだけ、自分に正直なっても良いかなとは…」
「意地っ張りね」
「いて…っ」
デコピンされた…。
「顔真っ赤だけど大丈夫？」
「…泣いたからじゃないか？」
「そう？ならいいけど」
綺麗な顔…、顔の傷はいつ付いたものなんだろうな。…相当…痛かったんじゃないのか。こんな大きなもの…。
「…！何してるの」
「あ…、痛そうな傷だなって思って…」
「別に擦り傷だし何ともないわよ」
歌さんも顔真っ赤…、こっちが触れてしまったのが明らかに悪いんだけどさ。無意識に…撫でてしまった…。
「治さないのか？」
「痕は消せないわ」
「……そうか」
俺も反転術式を施してみたけど傷跡は消えなかった。
「あんた…泣いた後から変よ？それともこっちが本当のあんたなの？」
「…本当の俺も何もないんだけどな。…ただ、何となく…甘えたいだけ…って言えばいいのか？こんな大きな男に甘えられても困るか…」
「別に私は構わない、あんたの弱みも握れたし」
…これは弱み、か。…そうだな、立派な弱みだな。五条とか七海に言いふらされるのは勘弁してほしい…。しばらくは…大人しくしておくか。
「歌さんの弱みねぇ…。…、流石にこれは人としてクズだからやらないけど」
「…ん？」
「やったら絶交案件」
俺は五条みたいなクズにはなりたくない…、性格が悪いのは自覚済みだけどクズではないと思ってる。
「気になるわね…、やってみなさいよ。絶交はしないから」
「ははっ、やらないって。簡単に男に体許したら駄目だよ？歌さん」
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suffron*(プロフ) - 水野さんさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しい感想です！頑張って矛盾が起きないように頑張ります！ (2022年8月8日 22時) (
レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
水野さん(プロフ) - この小説、よく話が組み込まれていてすごい大好きです！これからも無理せず頑張ってください！💪💪💪 (2022年8月8日 21時) (レス) id: 67d79f5597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suffron* | 作成日時：2022年8月5日 12時
