懐玉 ページ20
絡繰SIDE
歌さんと冥さんが任務から戻ってこない。一日とかならどこかで泊まってるんじゃないかって思うけど、二日も連絡がつかないのは初めてだった。
悟と傑と硝子は二人を迎えに行くと言い、俺もついていくことにした。特にその日仕事は入っていなかったし、俺も歌さんたちが心配だったから。
歌さんたちの任務先は外国風の建物。綺麗な館だった。
悟たちは帳も降ろさず、建物を破壊し…、
「助けに来たよ〜、歌姫」
飄々とした表情で歌さんを煽った。怒ってる歌さんを見て俺は少し安心。冥さんが一緒にいたし死ぬことはないとは思ってたけど。
「泣いてる?」
「泣いてねぇよ!!」
「泣いたら慰めてくれるかな?是非お願いしたいね」
冥さんって泣くの?泣くというより、男を泣かしてそうな雰囲気。冥さん強いし。女性の術師って力だけじゃなくて芯も強い。由基さんだって相当、あまり会ったことないけど。
「五条!!私はね、助けなんて__」
後ろから襲い掛かって来た呪霊を傑の呪霊が食べた、…呑み込んだ?
「悟、弱い者イジメは良くないよ」
はぁ…、こいつらは。
傑の煽りにさらに苛つく歌さん。…本当に阿保だ。
…と、硝子がヒョコっと出てきた。歌さんも家入だけは気に入っているようで「あんただけはクズになったら駄目だ」と言っていた。…俺の影薄くない?一切気づかれないんだけど。
「それはそうと、君たち。“帳”は?」
…ッはぁ〜、ホントに馬鹿。阿保だし馬鹿だし、俺が先に降ろした方が良かったかな。でもあいつらここに着いた瞬間建物爆破させたし、降ろすタイミングがなかった。
「救出も完了。さっさと帰るぞ、警察やら政府やら来られたら面倒だ。俺まで巻き込まれたくない」
「絡繰!あんたも来てたのね!」
歌さんが俺に抱き着く。…仮にも俺男なんだけどな、気にしないのか?
「はい、帰るよ。歌さんも二日間ずっとこんなところに閉じ込められて色々疲れてるだろうし、おぶってあげるから」
「あんたが優しいの…、ちょっとキモイわ」
「やっぱり置いてく。先帰ってるな」
「あ、ちょっとー!」
俺は歌さんたちを置いて帰った。悟が追いかけて来たけど足の速さは負けない、そもそも走らないで俺は跳んでるし。…どこを?木の上。
「はぁ、あいつらといるのは楽しいけど疲れんな」
「絡繰」
「先生、どうしたの」
「あいつらはどうした」
「置いてきた。面倒だったから」
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suffron*(プロフ) - 水野さんさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しい感想です!頑張って矛盾が起きないように頑張ります! (2022年8月8日 22時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
水野さん(プロフ) - この小説、よく話が組み込まれていてすごい大好きです!これからも無理せず頑張ってください!💪💪💪 (2022年8月8日 21時) (レス) id: 67d79f5597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年8月5日 12時