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紬SIDE
「_______?」
「本当はそうして欲しいけど眠っている時に呪力を持っていかれたら休めない」
「___…」
「気持ちだけ受け取っておく、ありがとな。“戻れ”」
俺が寝ている間も護衛に立っていた方がいいんじゃないかって言ってくれたけど…、ちょっときついよ。勿論いつでも呪力操作は行ってるから勝手に呪力を大量に消費することはない。けどさぁ…、
「静かに寝かせろよ…」
本当はふかふかの布団を硬めのベッドの上に敷いて、沈み込みながら寝たい。…理想はな。でもいつ仕事が入ってもすぐ準備できるようにソファで寝ている。布団に寝たら一生起きれる気がしない。ソファでさえきついのに…。
「…zzzz」
心の中で不満を漏らしながら俺はまた眠りについた。
次目が覚めたのは4時。…俺って不眠症だったっけな。
「…元々ショートスリーパーではあるけど…」
今度家入に睡眠薬でも貰いに行こう…、寝ないと体が死ぬ。球体関節動かなくなる…、油さしても変わらないし一回外してもう一度付けるしかないのが面倒だ。
もう一回だけ寝よう、それでも早く起きたら家入のところに行く。
「………」
起きたら6時。
「……何なんだろうな、この2時間置きに起きるの。…家入起きてるかな、この時間に」
今まで仮眠しか取って来なかったのが仇となってるなんて…、家入に言ったら笑われそうだ。まぁ…向こうも向こうで忙しすぎて隈が取れなくなってるけど。
早朝でも高専は騒がしい、出張帰りの術師とかが家入の治療を受けに来る。…ってことは寝てない、だろう。
「家入、起きてるか?」
「起きてるけど。絡繰は今日は休みなんじゃないのか」
「寝れないんだよ、睡眠薬でも貰えればと思って来た」
「不眠症?」
「さぁな…、最近ロクに睡眠取ってなかったから眠り方を忘れたんだろ」
寝てもすぐに起きてしまう、本当の深い睡眠を今まで取ったことがないせいだ。レム睡眠、って言ったか。俺はいつもノンレム睡眠なんだな、自分では気づかなかったけど。
「それは重症。ここで寝ていくか?」
「薬かサプリさえ貰えればいいんだけど」
「いや、ここで寝ろ。睡眠の質を少し調べたい」
「そうか、じゃあここで寝ようかな。…ちゃんと布団で寝かせてくれるよな?」
前は硬い長椅子の様なものに寝かされたからな…、しっかり柔らかい布団で寝たい。
「あの台には流石に寝かせない」
「良かった」
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suffron*(プロフ) - 水野さんさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しい感想です!頑張って矛盾が起きないように頑張ります! (2022年8月8日 22時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
水野さん(プロフ) - この小説、よく話が組み込まれていてすごい大好きです!これからも無理せず頑張ってください!💪💪💪 (2022年8月8日 21時) (レス) id: 67d79f5597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年8月5日 12時