疲労困憊 ページ15
紬SIDE
高専に戻って報告書を夜蛾先生に提出し、俺は家に戻った。明日は一日丸ごと休みらしい。
「ただいま。絃羽、絢綿」
勿論骨は何も返事なんて一切してくれない。
「生き返らせようかな…」
声も見た目も覚えている、骨だって残ってる、生き返らせるには十分だ…。でも…、
「歪な家族は、…いらないか」
妹たちまで歪になってしまうのは嫌だ。綺麗な形に直せるのなら今すぐにでも治す。
歪な俺にそんな力はないけど。
「…もういいや、寝よう。…おやすみ、二人とも」
お風呂も入らずご飯も食べず布団も敷かず、俺はソファで気絶するように寝た。実際に５分以内に寝てしまうのは気絶に一種らしい。
次目が覚めたのは深夜２時。辺りは真っ暗だ。俺は猫目に近い眼だから家具の置かれている場所と窓の位置ぐらいならわかる。家具と…窓と…、
「俺って休めない運命なんだろうか」
そして呪霊と…。
「お前は夏油からの差し金か。本当に…邪魔くさい」
眠りを邪魔されるのは嫌い、疲れているともっと機嫌が悪くなる。
「夜這いか？全く…、相手は選ぶことだな」
特級派遣じゃなくて助かったよ、夏油も鬼じゃなかった。というか、この時間帯に俺がここにいるのは珍しいのにどうして送ってきたんだろうな。…妹たちの骨を盗むためって言ったらぶっ殺す。
「早く寝たいから祓う」
機嫌の悪い俺は危険だよ、どんな殺し方するかわからないからさ。
「ギ…ギ…ガ…ガガ…」
「はぁ…、さっさと死ね」
刀を一振り。
「ガ…ガ…ガガガ…」
「一発じゃ死なねぇか…」
寝起きは体動きにくいんだよ。
「ガ…ッ！…ギ…ガ」
「ッ…！」
家の中で毒を吐くな。
「“弦”」
いつも通りの祓い方で殺そうとした。…けど、
「…変態…！？」
第二形態…、家の中で暴れられると片付けも面倒だし殺しにくくなる。
「“乙女人形”」
後ろから羽交い絞めにしてもらって、人形ごと切り裂く。人形を壊すことに躊躇いというものはあまり感じない。今機嫌悪いからっていうのもあるけど、人間とは違って何度でも直せるから。人形は。どんなに壊れても形さえ覚えていれば。
持ち主がいなくなった人形は迷子になる。
それはあまりにも可哀そうだ。だから、持ち主がいなくなったら人形も一緒にいなくなる。ずっと…一緒だから。
「ありがとう、変態が完了する前に祓えてよかった」
「＿＿…？」
「そうだな」
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suffron*(プロフ) - 水野さんさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しい感想です！頑張って矛盾が起きないように頑張ります！ (2022年8月8日 22時) (
レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
水野さん(プロフ) - この小説、よく話が組み込まれていてすごい大好きです！これからも無理せず頑張ってください！💪💪💪 (2022年8月8日 21時) (レス) id: 67d79f5597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suffron* | 作成日時：2022年8月5日 12時
