検索窓
今日:3 hit、昨日:14 hit、合計:144,367 hit

ページ40

白橋SIDE

 「私…は…っ…、誰かを…愛することは…、出来ない…。依存することも…、求めることも…ッ」

マ「なんで…、なんでだよ…」

 「それで…、貴方は救われる…?」

 彼の瞳が揺らいだ。

 「マイキー…さん?」

マ「救われ…ないのか…?」

 焦っているような顔から絶望の顔に変わっていき、込められた力が最高潮に達してしまった。

 意識が飛ぶって…こういうことなのか。意外と飛ぶ瞬間は苦しくなかった。でも、貴方の顔は苦しそうなままだ。中途半端に助けて…結局最後まで救えない。

 私は…偽善者だな…。

マ「…はッ…、はッ…」

 誰が…貴方を救えるんだろう。

 私の閉じていく視界には最後の最後まで貴方が映っていた。

 …………、…………、

 「…ッ!」

竜「うぉわっ!!」

 「ひぅっ!?」

 びっくりして跳ね起きたら竜胆さんを驚かせてしまって、プラスで私も驚いてしまった。目覚めた瞬間からまた寝てしまうかと思った…。

竜「(驚き方…、可愛いな…)」

 「ここは…」

竜「俺の部屋」

 「そうですか…」

 竜胆さんの部屋…、DJブースとかヘッドフォンとか置いてあるけどラップするのかな。男の人の部屋だからもう少し散らかっているかと思ったけど、全体を見渡してもゴミはなかった。ちゃんと綺麗にしてある。

竜「思ってたよりきれいだな」

 「…!」

竜「…とか考えてんのか」

 「バレちゃいましたか」

 竜胆さんは不満そうな顔で私の頬をつねった。

 「いひゃい…」

竜「お前寝かせるために急いで綺麗にしたんだわ」

 そうだったのか。道路に置き去りにされてんじゃないかと思ったけど、そこまで無慈悲な人じゃなかったみたい。起きたらふかふかのあったかいベッド。

 「今、何時ですか」

竜「夜中の2時半だ」

 「いわゆる丑三つ時、幽霊の出る時間帯ですね」

 あれ、竜胆さん幽霊得意じゃないのかな。少し歪んだ笑みになってる。…よし、いじめよう。たまにこういう悪い心が働くんだよね、弟気質の素直な人に対して。

 「知ってますか?竜胆さん。丑三つ時に幽霊の出る理由」

竜「知らねぇ、聞きたくもねぇ」

 「丑三つ時というのは方角にすると東北。東北というのは鬼門、鬼門は幽霊が出やすいんですよ」

竜「俺、聞きたくねぇって言ったよな?」

 とか言いながらも耳を塞がずに聞き入っている所を見ると、意外と好きなのかなと思ってしまう。

 「怖がっている貴方を見たら加虐心が沸いてきて…」

竜胆→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (127 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
368人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シオン(プロフ) - suffron*さん» マイキー、落ち着いて〜〜 (2022年11月13日 17時) (レス) id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
suffron*(プロフ) - シオンさん» マイキーは夢主とイザナの関係を知りませんからね、一切 (2022年11月13日 17時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ちょ〜〜マイキー、これはやばいよ。夢主のイザナみたいだと勘違いしてるぽいやぁ (2022年11月13日 17時) (レス) @page39 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - suffron*さん» 楽しみに待ってます!!! (2022年11月13日 16時) (レス) id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
suffron*(プロフ) - シオンさん» まぁ答えは次のお話で出てきますので〜 (2022年11月13日 16時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:suffron* | 作成日時:2022年11月2日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。