* ページ12
白橋SIDE
「いらっしゃいませ」
今日最初のお客さんは偉そうな人とその子供。…我ながら何と雑な紹介だろうか。
客「スーツの専門店と聞いてやってきたのだが、子供の用のスーツもあるのかね。店員さん」
「えぇ勿論です」
私は自信満々に答えた。
「お気に召すものがなければオーダーメイドも出来ますよ」
子供も中々高級そうな服を着ている。こういう店に入ったことがないのかお父さんの足にしがみついて離れない。採寸することになったらお父さんも入ってもらわないとね。
客「綾也、どんなものが着たい?」
綾「お姉さんの選んだものがいい」
あら、可愛らしいこと言ってくれるね。この子。私のセンスを見てみたいと。
客「店員さん、すまないが全てコーディネートしてくれるかい?」
「かしこまりました」
私は綾也君の眼をジッと見つめた。
「もう少しこっち来てくれる?怖かったらいいんだけど」
無言で来てくれた。怖がってる訳じゃないみたいだね。ただ恥ずかしがってるだけかな。
「ちょっとだけ我慢してね」
綾也君は私に見られても目を逸らさない。穴が空きそうになるぐらい力強く見てくれる。
空色の眼に金髪、多分地毛だね。ヨーロッパとのハーフか。肌も真っ白でまるで人形みたい。色素が全体的に薄いからスーツは濃い色でメリハリを付けたいな。
エナメル・ブルーとかどうだろう。
「綾也君、このスーツの色はどう?」
綾「…!かっこいい…!」
「気に入ってもらえたようで良かった。じゃあ大きさを合わせるから試着してくれる?」
綾也君とそのお父さんは試着室に入っていった。来ている間に私は彼の身長を大体計算しておく。私の屈み具合からして110〜115cmぐらい、多分小学一年生になったばかり。さっき渡したスーツは少し大きめのものだったし、110と120cmサイズのスーツを探すか。
綾「お姉さん、着てみた」
「すごい似合ってる!着心地はどう?」
綾「足と腕の所が長くて動きにくい」
「そうだね、それ少し大きめの服だったから。こっちならちょうどいいんじゃないかな」
私は二種類のスーツを渡し、もう一度試着してもらった。
綾「こっちの方が良い!」
お、ようやく笑ってくれた。さっきも目はキラキラさせていたけど口元が笑っていなかったから少し心配だった。
「じゃあそれにしよう」
それから私は中に着るベストと蝶ネクタイを選んだ。どれも気に入ってもらえて満足。
368人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シオン(プロフ) - suffron*さん» マイキー、落ち着いて〜〜 (2022年11月13日 17時) (レス) id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
suffron*(プロフ) - シオンさん» マイキーは夢主とイザナの関係を知りませんからね、一切 (2022年11月13日 17時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ちょ〜〜マイキー、これはやばいよ。夢主のイザナみたいだと勘違いしてるぽいやぁ (2022年11月13日 17時) (レス) @page39 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - suffron*さん» 楽しみに待ってます!!! (2022年11月13日 16時) (レス) id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
suffron*(プロフ) - シオンさん» まぁ答えは次のお話で出てきますので〜 (2022年11月13日 16時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:suffron* | 作成日時:2022年11月2日 0時