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絡繰SIDE
俺は…順平を救いたい。この思いは多分偽物じゃない、純粋に彼を助けたい。
「…るさい…うるさいっ!」
そうだよ、怒りなよ。もっと…。
「霊長ぶっている人間の感情…、心は!!すべて魂の代謝!!まやかしだ!!」
悠仁が順平の隣にいたクラゲのような式神に包まれた。…悠仁は毒なんて効かない。あいつ自体が毒だからな。マジの猛毒、食べたらフツーに死ぬ。俺でも死ぬ。
「まやかしで作ったルールで僕を縛るな」
「縛りは自分で自分に課すものだけどな」
怒るのはいいけどな?自分を見失いすぎだよ…順平。
感情は…まやかしか。そうかもなぁ…、感情なんて所詮演技の内だ。何でも自分に言い聞かせたらその通りにできるから。
「誰に言い訳してんだよ」
お、来た。
二人はそのまま窓を割って外に出てしまった。ここ4階だけど…。悠仁は4階まで無傷で飛んでこれるしあまり心配はしてない。順平も…クラゲが守ってくれるか。
「うぉ〜、スゲェ…」
悠仁の身体能力がバカ高い…、やばいなぁ。空中から着地するのと同時に地面に衝撃を与えて相手の攻撃を防ぐ。俺には思いつかない戦法だ。…俺ならどうするかって?まず着地を遅くする。それか人形を出して攻撃を塞いでもらう。…脳筋プレイは俺に合っていないからな。
「順平が何言ってんだかひとっつも分かんねぇ。それらしい理屈をこねたってオマエはただ、自分が正しいって思いたいだけだろ」
…違う、思いたいんじゃない。
思ってほしいんだよ。自分は間違っていない、正しいことをしているって…。散々認められてこなかったから、せめて…悪い人間を制裁することを許してほしい。
…わかる、わかるよ。苦しいほどに…わかる。
「順平の動機は知らん、何か理由があるんだろ。でもそれは本当に、あの生活を捨ててまでのことなのか?人の心がまやかしなんてあの人の前で言えんのかよ!!」
…あの人?
ッ!…お母さんか、順平の。殺されたんだっけな、呪霊によって。いきなり殺されるなんてあり得ない、きっと真人か夏油どちらかが呪物を置いたんだろ。
「人に心なんてない」
「オマエっ、まだ」
「ないんだよ!!そうでなきゃ…そうでなきゃ!!」
額に…火傷の痕。…心が限界を迎えている、泣き叫んでいる。…糸が、切れそうだ。
「母さんも僕も人の心に呪われたって言うのか」
「…ッ…」
「そんなの、あんまりじゃないか……」
順…平…。
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suffron*(プロフ) - 紫さん» わぁ〜!ありがとうございます! (2022年4月30日 0時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 好きです!更新頑張ってください (2022年4月29日 23時) (レス) @page4 id: 45b1199f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年4月29日 15時