術式 ページ45
絡繰SIDE
…まぁ、縛りも課したことだし悠仁の所にでも行こうか。
なーんか、嫌な予感がする。
あの子…順平って言ったっけ?危なっかしいんだよなぁ…ホント。自分が修復不可能ぐらいにまで傷ついているから自分を肯定してくれる人が欲しくなるんだ。…今回は救済者が悪かった。あんな特級呪霊なんて…流されるに決まってるじゃねぇかよ。
どこにいるかわからないけど、何となく悠仁に糸が繋がっているからそれを辿っていくしかない。きっと順平も同じところにいるだろうから。
「…俺って未来予知でもできんのかな」
順平が…人間を殺しかけている。…毒か。助けないといけないのはわかっているんだけど…、こいつらは助けるに値する人間じゃない。どうせ、あの子は…人を殺す勇気なんてない。…きっとぎりぎりで助かるぐらいの毒性だ。だから、今はまだ助けなくていい。
それに…わざわざクズな人間に呪力を使うのはただただ面倒なんだよ。
「…苦しそうだね、順平」
今まで誰も助けてくれなかった、今更救われたってどうにもならない。
…糸が物語ってるよ、その心境を。絡まった糸を無理やり解こうとしてもっときつく結ばれてしまっている。…これを解けるのは、きっと高専の人たち。あの子たちはいい子ばかりだから。
「あ、追いかけないと」
悠仁と順平は校内に行った。
「もう一度言う、引っ込んでろよ!!呪術師!!関係ないだろ!!」
「それはオマエが!!決めることじゃねぇ!!」
「無闇な救済になんの意味があるんだ…。命の価値を穿き違えるな!!」
それ…悠仁に一番言っちゃいけないことだろ。悠仁は人間は全て助ける、その一心で呪術師やってんだから。命の価値とかそういう難しいこと何も考えないでやってんだよ。
人を助ける、それは俺にしかできないこと。
だから、悠仁はきっと順平のことも助けたいんだろうな。
「その言葉は…真人から与えられたものか?順平」
「誰だ…!」
「絡繰先生!」
「…命の価値を穿き違えるな。確かにその通りだ、助ける命、助ける必要のない命、助からない命、どれも同じ価値だとは俺は思わない。だから、君は正しい。でも、悠仁が間違っているわけでもない。…自分の意見を相手に強制する権利は誰にもない。…君が悠仁を止めることはできないよ、順平。ま、心の何処かではわかってんだろうけどな」
俺だってさっきの奴らを助けたいとは思わなかった、というか思えなかった。
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suffron*(プロフ) - 紫さん» わぁ〜!ありがとうございます! (2022年4月30日 0時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 好きです!更新頑張ってください (2022年4月29日 23時) (レス) @page4 id: 45b1199f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年4月29日 15時