苦痛 ページ31
絡繰SIDE
五条が来てくれた。しょーじきめっちゃ痛いけど、人の前だからあまり辛い表情ださないようにする。…頑張るよ、俺。多分気づかれているだろうけど、笑っていたらそこまで心配されないだろうから…。
「後は〜、…ん…何か…変な術式使う人型の呪霊。…そして、タコ型の大きい呪霊。後二体は五条が見てるだろ…。後で絵描くから…」
あの生得領域はタコ型呪霊のものだった…。あいつらは…糸が繋がりにくかったな。繋がりやすかったのは…偽夏油と人型呪霊。
…偽夏油と人型呪霊…、真人…みたいな名前。漏瑚…、花御…タコ型は遠くにいたからわからなかった。近くにいたあいつらはすぐにわかったけど…。
「もう話さなくていい、早く硝子の所に連れて行くから」
「だーから…自分で歩ける…」
いや…ホントは歩けないぐらい痛い。でも俺は…大人だから痛いなんて人前で言うことは許されない。…五条の前でなんて特に。
「その状態で歩けるなんて粋がるなっての」
「…は?」
「怖っ…」
「いや…怒ってない…。……ッ…」
いくら呪力で守れているからってずっと立ったままで話しているのはキツイ…。早く帰りたい…。
「…ま、帰ろっかぁ。一応治療は受けないとだし…。あ、でも…家入起きてるかな」
「起きてなくても無理矢理起こしなよ〜」
「……なんか…申し訳ない…」
行かないといけないのはわかってんだけどよ…?
「…まぁ…このままじゃ失血死だし行くか…」
俺は高専に置いておいた人形と繋がっているのに気づいて、指を鳴らした。五条もきっと後から来てくれんだろ。
「ふわ…ぁ…、家入まだ寝てないよな?」
治療してもらったら、そこで寝よっかな…。久しぶりに領域展開して疲れた、俺の領域は広範囲にわたるもの。…さらに自分の術式を全ての糸に付与しているから相当な呪力を消費する。まぁ…まだ効果は沢山あるんだが…。教えるのはこれぐらいな。
「家入〜…、起きてるかー?」
「どうし…、うぉ…やばいな」
「治して、俺の反転術式だけじゃ治しきれねー」
「ん、そこに横になりな」
俺はベッドにうつ伏せで寝ころんだ。家入の反転術式は雑だけど綺麗だ。意味わかんねぇって思うかもしれないけど、本当にそうなんだよ。優しいんだ、呪力の温度…みたいなもんがな。負の呪力と負の呪力をかけたら正の呪力になる。それが反転術式。
家入の正の呪力は優しいものなんだな…。俺とは全然違う…。
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suffron*(プロフ) - 紫さん» わぁ〜!ありがとうございます! (2022年4月30日 0時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 好きです!更新頑張ってください (2022年4月29日 23時) (レス) @page4 id: 45b1199f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年4月29日 15時