焦り ページ30
五条SIDE
絡繰があいつらを追いかけてどこかに行った。あいつ…残穢残さないで移動するからな。
見失ってから時間が少し経った。悠仁？悠仁は部屋で寝てるよ〜。
「さて、再開しますか」
ホント、どこ行ったんだか。
あの特級呪霊を見つけたところまで戻って絡繰を探した。さっきより絡繰の呪力の気配が濃くなっている…。
「絡繰〜？」
「…五…条…？」
「絡繰！？」
「やっほ〜、悠仁は大丈夫かい…？」
湖の近くに血まみれになった絡繰がいた。俺は絡繰のあんな姿を見たことがなかったから心臓が止まるかと思った…。いや、マジで一瞬止まったんじゃないかな。
「自分の心配を先にしろよ…」
「ははっ…、ちょっとやられちゃったねぇ」
これでちょっと…？絡繰は俺と違って無下限を使えないんだからもろに食らったら結構深い傷が出来るだろ。…よく生きてるな。
「(俺の奥深くまで探られて破壊されるところだった…。すぐに中を呪力で守っておいて助かったよ…。五条も来てくれたし…後は家入の所に連れて行ってもらえたら…)」
「…姫抱きしようか？」
「…いーや、自分で立つよ」
無理に力を入れたら出血が…、今ぐらい僕に頼ってもいいのに。なんで…。
「俺はほっそいからさぁ…、五条とか七海よりも体が脆いの。まぁ、何で死ななかったかというと…、呪力でとっさに守れたおかげ。…それでも…これだからな。直撃は多分死ぬ…」
額からはダラダラと汗が流れていて、時々痛みに顔を歪めているのがわかる。ここまで絡繰の表情が変わるのは珍しい…。いつも笑ってばっかりだと他の表情を忘れてしまいそうだったけど、忘れていなかったみたいで良かった。
「…、あいつらを追いかけたら生得領域に繋がってさ。…思いっきり領域展開して逃げて来たよ。あそこには…、呪霊が４体…呪詛師が１人…いや…あれも呪霊の一種なのかな」
呪詛師で…呪霊？…もしかしてだけど、
「傑でもいた？」
「あれは…夏油じゃない…。…乗っ取られている…、何かに。だから…呪詛師か呪霊かわからない、何て…言えばいいのか…」
困ってる…、絡繰が困ってる。
傑は絡繰の唯一の理解者…だったと思う。だって、あいつだけが絡繰の下の名前も術式も知っている。きっと…絡繰の本性も。絡繰は…、全部を偽りすぎているからな。
全部が本物で…全部が偽物、それが絡繰。
こんな状態でも苦しみながら笑えるあいつの気が知れない…。
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suffron*(プロフ) - 紫さん» わぁ〜！ありがとうございます！ (2022年4月30日 0時) (
レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 好きです！更新頑張ってください (2022年4月29日 23時) (レス) @page4 id: 45b1199f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：suffron* | 作成日時：2022年4月29日 15時
