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12 彼女ト赤毛ノ少女 ページ12

「組合・・・」

組合何て殆ど都市伝説の様な扱いの組織じゃないか。政界や財界の重鎮達を構成員とする秘密結社何てまるで何処かの三文映画の様なんだけど、この目で拝む事になるなんてねー。

「荷風、今すぐ其の鞄を持って裏口から出るんだ」

「分かった。じゃあ又ね」

私は乱歩さんと与謝野さんに手を振って裏口から外へ出た。ふと表の方へ目を向けると、ヘリが見えた・・・組合ってお金持ちだなぁ。だけど残念ながら探偵社にはヘリポートなんて物は無い。

「探偵社の人達、大丈夫かなぁ」

少し心配になったけれど、余り姿を見せる訳にも行かないので、表通りに出た。まあ、探偵社なら多分大丈夫だから心配無いだろう。

表通りを少し歩いて、デパートの中の化粧室に向かい、個室に入った。

「はー、気持ち悪い」

一度に多量の血液を抜いたから、ふらふらする。鞄から鉄剤を取り出して飲み込んだ。次に、学生服を取り出して着替える。学生だったら、多少荷物が多くても、教本の類いに見えるから怪しまれにくいーーーーーー其処までは良いんだけど、22歳にもなって学生服を着るのは幾ら童顔気味の私でも些かしんどいものがある。


鞄を持ってデパートを出て、交差点を渡る

「ナオミッ!!」

「ぎゃあっ?!」

凄い形相をした軽薄そうな青年がぶつかって来た。ていうか私、今女学生が出してはいけない声を発してしまった様な気がする。

「なんか会ったのかな?」

先程私とぶつかった青年からは鬼気迫るものを感じた。・・・あっ、又誰かとぶつかった様だ。

「えっ?!」

青年がぶつかった相手、私の見間違いか、若しくはそっくりさんじゃ無ければ首領、いや、あの姿だったら森医師だーーーーーーうわ、最悪。万が一見付かったら不味いし、さっさとトンズラしよう。


「あの、大丈夫ですか?」

其の時、特徴的な髪型をした少年が声を掛けてきた。

「嗚呼、はい。大丈夫です」



「見付けたッ!!」


「「えっ?」」

私と少年の声が重なって、二人揃って先程の青年の方を見た。青年は、赤毛の少女に向かって手を伸ばした。ーーーーーーすると、其の少女が振り向いた。


「遊びましょ☆」

赤毛の少女は、可愛らしい言葉とは裏腹に、歯の矯正器具を覗かせるように口を歪めて不気味な笑みを浮かべて居た。







ーーーーーーーー其れを見た瞬間、辺りの景色が突如一変して居た。

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作者名:天華 | 作成日時:2019年7月18日 21時

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