貴方しか愛せないから。【ガラテア】

〜９〜 ページ10

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ここに来た時に初めて読んだ絵本で見たの。







夢は叶うもの、だとか。


誰もがお姫様、なんて。








そんなに世の中甘くないわ。











『！ I'm sorry to tell you a dark story(暗い話をしてごめんね)』


彫「yeah...It's ok(大丈夫よ)」
















絶対に彼を振り向かせてみせるの。









だって彼は私の運命の人だから。











他の悪い人たちに邪魔されたって、私はめげないわ











彫「I…(私…)」


『？？』


彫「I long for the princess that appears in the picture book(絵本に出てくるお姫様に憧れているの)」


『princess?(お姫様 )』


彫「You play the prince(貴方は王子様を演じて)」














白馬に乗って、私を迎えに来るの。






私を牢に閉じこめる悪者達をやっつけて、連れ出してくれる…









『It's going to be a great story(素晴らしい物語になりそうだね)』


彫「！！ of course!(勿論)」




















ほら、見て。





この優しい笑顔。









心の底からの笑顔よ。














私の事を"普通"だと思っていない人が、私に向けるぎこちない笑顔よりも。






何倍も良い笑顔。























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彫「今、なんて__？」


「だーかーらー…彼の提案で貴女の外出許可を出したのよ」

彫「本当に！？外に…？」


「ええ、何度も言っているでしょう…同じことを言わせないで」







いつも嫌味を言ってくる医師も、今では何とも思わなかった。







彫「ありがとう！」


「それはAさんに言いなさいね」















フッ、と素の笑顔を見せた医師。














この人も、本当は優しいんだ。


















私は更にテンションが上がり、貰ったハットを被って彼を待った。

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