ある日、あなたに拾われました。 (ページ21)

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先生「重岡くんのことなんですけど…どんどん悪化してきています。おそらくあと1年、生きれるかどうか…目が覚めれば退院はできます。でも、次倒れたときは入院です。話は以上です。早く重岡くんのところに戻ってあげてください。」

あと1年…？

悪化してるって…どういうこと…？

私に隠してたってこと…？

廉「A…重岡くんなら大丈夫や。」

『ごめん。私ちょっと頭冷やしてくる。』

病院の中庭に来た。

重岡くんがあと1年って…

そんなっ…

“生きたくても生きられへんやつやっておる。お前はそーいうんじゃないやろ？”

そういうこと…？

会ったばかりの頃に聞いたこの言葉…自分のことを言ってたの…？

だからあんなに真剣だったんだ…

なのにあんなこと言っちゃった…きつく当たっちゃった…

重岡くんは何も悪くないのに…

「Aちゃん…」

『廉っ…？じゃない…ごめん…』

なんで廉って言っちゃったんだろ。

勝利「廉じゃなくてごめんね？」

『ううん。私こそごめん。』

勝利「あのさ、しげがあと1年しか生きられないって聞いて驚いたよね？」

『うん。』

勝利「しげね、昔から病気で、それで親に捨てられたんだ。かわいそうだよね。なりたくてなったわけじゃないしさ、しげだって辛い思いしてるのにね。」

『あのね、私、重岡くんと会った時に、生きたくても生きられへんやつやっておる。お前はそーいうんじゃないやろ？って言われたの。その時はつい強く当たっちゃったんだけど、自分のことを言ってたんだって今気づいて…』

勝利「じゃあさ、しげが目を覚ましたら謝ろ？俺も居てあげるから。」

『うんっ！あのさ、前、勝利くんがここにいる理由教えてくれたじゃん？あれって本当なの？違う気がするんだけどさ…』

勝利「うん。あれは嘘。嘘ついてごめんね？俺がここにいる本当の理由聞きたい？」

やっぱり嘘だったんだ。

『うん。』

勝利「実はね、俺も病気なんだ。」

『えっ…？』

勝利「俺の寿命は分からない。つまり、いつ死んでもおかしくないってこと。そのせいで親に捨てられたんだよね。本当さ、大人って勝手すぎるよね。」

『勝利くん…怖くないの？』

勝利「怖くないよ…」

でも、その言葉は震えてたよね。