あ ページ13
身体が重い。
何となくそう感じて、肩を回したり腕や足を揉んだりとマッサージなどをしてみるが、一向に治る気配はない。
それどころか、どんどん重くなっているような気がする。
(早く帰ろう……)
サークルなどに所属していないナワーブだが、運動神経は良いのでサッカーやバスケなどのスポーツ系のサークルの助っ人に入ることが多い。
しかし、今日は次から次へと掛かってくる声に今日は帰ると返しながら門を潜った。
(それにしても……)
ふと、視線を足元に移す。
夕陽を背に浮かび上がる影は紛れもなく自身のもので、そういえば朝のあの時からハスターは一言も喋っていないなと思った。
ずるり、
バッと勢いよく振り返る。
音が聞こえた。何かを引きずるような音が。
しかも、少し後ろなどという距離ではない。聞こえたのは自身の真後ろだ。
だが、背後には誰もおらず、それどころか周囲には人の気配すらない。
冷や汗が背中を伝う。
何か、すごく嫌な予感がする。
ずるり、
また聞こえた。
けれど、今度は少し離れたところから。
ドクドクと脈打つ心臓を服の上から押さえつけ、周囲を見回す。
ずるり。
閑静な住宅街の、死角の曲がり角。
ゆっくりと見えたのは、金髪の―……。
その後のことは、よく覚えていない。
ただ、がむしゃらに突っ走って家まで戻ってきた。
扉を荒々しく閉めて、鍵もチェーンもしっかりと掛ける。息切れしながら、扉を背にズルズルと座り込んだ。
クラスメイトのあの男の帰り道は、自身とは真反対だ。
自分と同じ道で帰る理由はないだろう。
そうなると、考えられるのは一つ。
「………ついて、きてる」
あぁ、やっぱり朝の時点で帰れば良かったのだと強く後悔した。
あれは、やはり人ではない。
人なものか。
項垂れたように垂れる頭。あの角から頭を出したら夕陽で影ができるはずなのに、地面には何も無かった。
わわたたtたたししののnoののののこkoこここととt→←泣きそうになった
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モノクロ饅頭 | 作成日時:2023年11月4日 20時