25話 ページ25
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私の苗字で呼んだ翔也先輩は優しく笑ってて、
でもどこか力無いような雰囲気。
…名前で呼ぶって話になったの忘れたのかな。
いやでもここ最近ずっと『Aちゃん』だったし。
暗い校門の前。
人がいないせいで、随分静かだ。
「お疲れ様です。今日終わるの遅かったんですね」
木全「…うん。まあ」
「翔也先輩？元気無いですか？」
しかし私の質問に返事はなく。
ふらふらと歩み寄ってきて、
目の前で止まったかと思うと
いきなり頭を私の肩に乗せてきた。
「っ？！」
ふわんと香るシャンプーの匂いと
翔也先輩の匂い。
先輩の肩が鼻にぶつかってて
心臓が破裂してしまうくらい跳ね上がった。
「な、ちょ、しょ、っ、しょう、やせんぱ、！」
木全「…俺、前に碧海に聞かれたんだ」
こっちの焦りなんかお構いなしに
ぽそりぽそりと呟き始める。
やっぱり元気がないようで
引き剥がすわけにもいかない。
というか、そんな余裕が私にはない。
木全「『咲間さんが徹くんと恋人なってもええの？』って」
…ん？なぜ徹くん？
しかし翔也先輩の話はまだ続きそうなので
ひとまずツッコミは飲み込んだ。
さらりとした黒髪が耳に当たって、
喋るたびに温い吐息が制服に擦れてくすぐったい。
木全「最初は、関係ないと思った。
むしろ良いじゃんって」
「は、はあ」
木全「……でもなんか、だめかも」
「え？」
顔を見たいのに、見せてくれない。
…それは一体どういう意味なんだろう。
騒がしかった心臓が大きく波打った。
この不思議な森の住人に期待するだけ無駄って
たくさん言い聞かせてきたのに。
木全「…咲間さんが誰かの恋人になるの、いやだ」
「ぇ」
木全「……なんて、もう遅いのにね」
ふー、と長いため息を吐いてから
ようやく翔也先輩が顔を上げた。
私の目を見つめて柔らかく微笑む。
その笑顔が見たことないくらい優しくて
抱きしめてほしいなんて欲が出てきて。
木全「ごめん、呼び止めて」
「え？いえ…」
木全「徹くんとお幸せにね」
じゃ、と手を上げて横を通り過ぎていく先輩。
まだ脳に先輩の匂いが残っているみたいで、
近くにあったぬくもりを思い出すだけで
心臓が落ち着かなくなってしまう。
……ん？
いま最後、翔也先輩なんて言ってた？
え？
「……ちょ、翔也先輩ッ？！」
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Shiu(プロフ) - ひなさん» ありがとうございますーーーっ！笑ってもらえて一人ガッツポーズしました(｀･ω･´) (2021年9月21日 16時) (
レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - でひゅwww可愛い笑笑めちゃくちゃ笑いました笑笑 (2021年9月21日 14時) (レス) id: 80336a687d (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - HANANOさん» おわー？！嬉しすぎるお言葉をありがとうございます…ｯｯ！！浮かれて踊りだしてしまいそうです…(｀・ω・´)応援ありがとうございます！これからも楽しんでもらえるよう更新頑張ります！！ (2021年9月16日 12時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
HANANO - 突然すみません！作者様が書く話し方も展開も大好きすぎて、1日に何回も更新されてないか確認しちゃうくらいとっても大好きな作品です(*ﾟーﾟ)陰ながら応援しています！楽しみに更新待ってます(ﾉ∀｀*) (2021年9月16日 10時) (レス) id: 8034088d70 (このIDを非表示/違反報告)
さーこ(プロフ) - ド過保護るきくんが好きです！ (2021年8月27日 9時) (レス) id: 94d6a6a4fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiu
| 作成日時：2021年8月23日 23時
