29話 ページ29
t-side
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「なんか彼氏出来た〜」
こっちの気なんか知る由もない彼女の言葉。
そんな素振り一つも見せなかったくせに、
どうやら他校の男に告られたらしい。
適当にお祝いをすれば
「興味なさそう」とケラケラ笑われた。
顔も名前も知らない
Aの男を呪える方法がないか
一晩中考え続けてるはめになったのを
彼女は知らないだろう。
「彼氏はいるよ。結婚はまだかな」
焼けた肉を頬張りながら
何でもないふうに答える。
JO1としてデビューして、
だいぶ落ち着いたし今ならと勇気を出した
俺の心は焦げた肉のように真っ黒だった。
その後の会話はよく覚えてない。
べろべろに酔う姿に、
この顔を顔も知らない男がもう見たのかと
考えるだけでどうしようもない気持ちになった。
高校卒業のときに
さっさと告白すればよかったのかもしれない。
でもAが俺をそういうふうに
見ていないことがわかりきってしまって、
負け戦に挑む勇気がなかった。
それでも諦めきれなくて、
何度かご飯に誘ってしまった俺に
なんの警戒もなくふらふらやってくるA。
“幼馴染”ということを何度も憎んだ。
けど、こうして飯行けるのは
間違いなく“幼馴染”だったから。
ある日の帰り道、
Aを泣かせてしまった。
いつもどおり彼氏の話をしただけだった。
その男がAに何をしたのかわからない。
聞けるはずもなかった。
けど、抱き寄せても振り払われないことに
期待してしまっていた自分も居て。
ずるいだろうか。
でも、こんなにずっと思っていたのだから、
少しくらいずるしてもいいじゃないか。
「Aだけ
優しくするの」
そう伝えれば、彼女は顔を真っ赤にして
かなり動揺しているらしかった。
景瑚と仲良くなっているのは
少し気に食わなかったが。
「……忘れてください」
見たことないくらい真っ赤な顔のAの
その言葉に思わず笑ってしまった。
ずっと好きだった人がようやくふりむいてくれたのに
忘れることなんてできるはずがない。
身の勢い任せにキスをすれば
体をガチガチにして緊張しているようで。
あー、可愛くて仕方ない。
こんなAを昔の男たちが
見ていたのかと思うと心底腹立たしいが。
でもいい。
絶対に他の奴には見せてやらない。
俺だけのAだから。
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Shiu(プロフ) - 緑さん» いつも読んでくださり、そしてコメントありがとうございます！そう言ってもらえてとても励みになります…(T_T)このお話も最後まで頑張って書いていきますので、ぜひ見届けてもらえたら嬉しいです(*´∀｀*)次回作ももちろん全力で頑張ります！ (2021年6月9日 23時) (
レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - nanakoさん» コメントありがとうございます！ぜひこのお話のラストも見届けていただけたら嬉しいです(*´∀｀*) (2021年6月9日 23時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
緑(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！学園もの全然アリやとおもいます！アリっていうかもはや読みたいです（笑）完結と新作楽しみにしてます！！ (2021年6月8日 23時) (レス) id: 70fd815c99 (このIDを非表示/違反報告)
nanako(プロフ) - 好きなお話でした。楽しかったです。鶴房くんのやめたら嬉しいです。 (2021年6月8日 21時) (レス) id: 739857a84a (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ちいたんさん» ひゃーー！ありがとうございます！！めちゃくちゃがんばります(*´∀｀*) (2021年6月7日 12時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiu
| 作成日時：2021年4月12日 22時
