11話 ページ11
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少し気まずい時間があったものの、
生ハムの美味しさとアルコールで
お店を出る頃には暗い気持ちは吹き飛んでしまった。
「んはぁー！飲んだ！食べたぁ！」
「すげー食いっぷりやったなぁ」
「おつまみが美味しいとお酒が進んじゃいますねぇ」
「いや1杯しか飲んでないやん」
「うるさーい！拓実だって1杯しかおかわりしてないじゃん！」
「合わせてあげたんです〜」
都会の道路は夜でもピカピカと眩しい。
拓実も少し酔ってるみたいで、
へら、と笑みを浮かべた。
いつ見てもキリッとしてる拓実の
気の抜けた笑顔は珍しい気がする。
「あーあー、私も彼氏以外の異性と
飲んだから浮気しちゃったかなぁ」
「…反応に困ること言うのやめて？」
「へへ！」
不敵な笑みを見せつけてやったつもりなのに
「間抜け面すんな」とそっぽ向かれた。
「拓実は優しいね」
「なに急に」
「モテる男はやっぱ女性の扱いが違うよ」
「Aを女性として見たことないけど」
「なにをぅ？！」
「ほらすぐムキになる」
褒めたらすぐこれだ。
さっきはそっぽ向いてたくせに
私が噛み付くと楽しそうにケラケラと笑う。
いたずらっぽく上がる口角が
どこかあざとくてずるい。
二人の足は自然と駅に向かっている。
そういえば拓実の最寄りはどこなんだろう。
前に食べたときは駅で別れた気がするけど。
「拓実って最寄りどこなの？」
「あー…特にない」
「えっ」
「タクシーで帰れるんで」
「うわーー！芸能人の特権じゃん！」
「乗ってく？」
「フリーターにタクシーは無理だね」
「払うで」
「いらん」
「言うと思ったわ」
「最寄りまで送らせて」と拓実が微笑む。
こんなに丁寧に扱われる、というか
エスコートされたことがない私は
簡単にきゅんと来てしまう。
ちょろいな私。
「拓実はタラシだね」
「なんで」
「女の子が喜ぶことわかっててやってるでしょ」
「は？なにそれ。
んなこと考えてないけど」
「私じゃなかったらもう今告白されてるよ君」
「なんで？」
「そんな優しくされたら好きになるよ、女の子は」
全く理解できてなさそうな拓実は
「意味わかんね」と眉を寄せて拗ねてしまう。
大人びた横顔が店頭の灯りに照らされて、
なんとなく直視できなかった。
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Shiu(プロフ) - 緑さん» いつも読んでくださり、そしてコメントありがとうございます！そう言ってもらえてとても励みになります…(T_T)このお話も最後まで頑張って書いていきますので、ぜひ見届けてもらえたら嬉しいです(*´∀｀*)次回作ももちろん全力で頑張ります！ (2021年6月9日 23時) (
レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - nanakoさん» コメントありがとうございます！ぜひこのお話のラストも見届けていただけたら嬉しいです(*´∀｀*) (2021年6月9日 23時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
緑(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！学園もの全然アリやとおもいます！アリっていうかもはや読みたいです（笑）完結と新作楽しみにしてます！！ (2021年6月8日 23時) (レス) id: 70fd815c99 (このIDを非表示/違反報告)
nanako(プロフ) - 好きなお話でした。楽しかったです。鶴房くんのやめたら嬉しいです。 (2021年6月8日 21時) (レス) id: 739857a84a (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ちいたんさん» ひゃーー！ありがとうございます！！めちゃくちゃがんばります(*´∀｀*) (2021年6月7日 12時) (レス) id: 3e168f23de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiu
| 作成日時：2021年4月12日 22時
