8話 ページ8
．
川西「え！るっくんと会ったん！」
当たり前のように私の席でパンを広げる川西に
購買での出来事を教えると嬉しそうに目を瞬かせた。
川西「何話したん？」
「他愛ない話」
川西「そうやって俺だけ仲間はずれにするんや！」
「いやほんとに他愛ない話だよ。
甘いもの好きとか川西が人見知りとか」
川西「俺別に人見知りちゃうし…」
男友達いるのに私の席でご飯食べてるくせにな
とは言わず、ノーコメントで隣の席から椅子を引っ張り出した。
川西「…Aはるっくんとすぐ仲良くなったよなぁ」
「お陰様でね」
川西「ほんまに…なぁ〜…」
「どうしたの」
川西は机の上にほっぺを押し付けて静かになってしまった。
瑠姫くんの話は嬉しそうにしてるくせに、
なにか気になることがあるのだろうか。
「別に川西の『るっくん』を独り占めしたりしないよ？」
川西「……」
「川西？」
川西「なぁ…」
軽快なツッコミもなく、少しだけ顔を上げた川西が
下から見上げるように見つめてくる。
いつもよりも近い距離に、なんとなく息が詰まった。
「……なに？」
川西「…るっくんのこと、どう思ってるん」
「…？どう？とは…？」
川西「だからぁ…かっこいいとかイケメンとか…」
付き合いたい とか
控えめに続けられた言葉に耳を疑わずにはいられなかった。
これだけ長い間一緒にいたのに、何を言うのだろう。
「瑠姫くんのことはまぁイケメンだと思うけど、
誰かと付き合うことは『もう』ないよ」
川西「…んー」
「わかってて聞いたでしょ？」
川西「……まーね」
「なに？まだ何かご不満？」
ご機嫌ななめな川西の頭に購買で買ったパンを乗せてやる。
するといつもの調子で「もぉ！なにっ！」なんて怒ってみせて。
川西「勝手に食べるで?!」
「いーよ、川西好きでしょそれ」
川西「…………」
「いらない？」
川西「そういうとこやで」
「ん？」
川西「なんでもないっ」
結局不機嫌なままの川西。
いちごメロンパンを乱暴に開けて口いっぱいに頬張った。
リスみたい。
川西「ほぇらっへふらいんやへ！」
「なんて？？？？」
川西「ふん！」
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 420人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
A(プロフ) - はい！暑さもまだ続きますし無理せず生活なさってください！ (8月30日 6時) (
レス) id: 25cd72813f (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - Aさん» はじめまして！お返事が遅くなり申し訳ありません…！温かいコメントありがとうございます( *´艸｀)かなり不定期更新ですが、これからちょくちょくお話書けるようがんばります！とても励みになります、ありがとうございます！！ (8月29日 22時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 初めまして！お話とても面白いです！続きがとても気になります。お時間があれば書いて欲しいです！ (8月8日 13時) (レス) @page9 id: 25cd72813f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Shiu
| 作成日時：2023年5月17日 18時
