検索窓
今日:35 hit、昨日:25 hit、合計:25,997 hit

6話 ページ6







「酷いよなぁ。2人して助けてくれないなんて」

川西「ごめんってぇ」






翌朝。




朝練終わりの川西と昇降口でばったり遭遇したので
昨日の出来事について嫌味を吐いて見せた。


本人は手を合わせて困ったように笑ってる。





女の子たちに声をかけられたあと
私が完全に動かなくなったのを不審に思ったようで、

彼女たちは怪訝そうに眉を寄せて席へ戻ってしまった。





申し訳ない気持ちと、
どうしたらよかったんだという困惑。





川西「Aコミュ力高いから任せちゃう…」

「私が高いんじゃなくて川西が人見知りすぎるだけ」

川西「ひどー!」




ぷんぷん!と効果音がつくアニメのように
少し頬を膨らませて口をとがらせる川西。


やることがいちいちあざといと思う。


その顔を見たら許すしかないのだ。





「はぁ。川西はいいなぁ」

川西「ん?」

「愛想がいいし、表情豊かだし」

川西「Aもよく表情変わるじゃん!」

「川西ほどじゃないし」

川西「俺だってこうやって話せるのはAだけやし」

「腐れ縁ですもんね〜」




普段なら2人で「ははっ」なんて笑い声がハモるタイミング。

しかし笑ったのは私だけで、隣から何も聞こえなかった。



少し気になって川西を見ると
彼は自分の足元を見つめたまま表情を曇らせてる。




「川西?」

川西「え…?なに?」

「いや、なんか、大丈夫?」




上手い聞き方が出来ない自分が憎い。


ストレートなのか的はずれなのか中途半端な疑問に
一度きょとんと目を瞬かせた川西は
すぐに弾けるような笑顔を浮かべてくれた。





川西「わはっ!なんだよーなんもないよ!」

「な、ならいいけど」

川西「俺がこうやって話せるのは、
『腐れ縁だから』ってだけじゃないよ」

「ん?」

川西「…って言おうか悩んでた!」

「んん…?いや、言ってるじゃん」

川西「んはっ」





腐れ縁だからだけじゃない、って

どういうことだろう。



なんとなく気になって考えてみるけど

「もうその話はいいって〜!」と遮られてしまい。









「…私の弱みを握ろうとしてる?」

川西「俺そんな物騒な男に見える?」

「いや。1番遠いかな」

川西「じゃぁなんで聞いたん!」

「理由が思いつかなくて…」

川西「だから〜!もう考えんなって!」





7話→←5話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (77 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
420人がお気に入り
設定タグ:jo1 , 川西拓実
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

A(プロフ) - はい!暑さもまだ続きますし無理せず生活なさってください! (8月30日 6時) (レス) id: 25cd72813f (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - Aさん» はじめまして!お返事が遅くなり申し訳ありません…!温かいコメントありがとうございます( *´艸`)かなり不定期更新ですが、これからちょくちょくお話書けるようがんばります!とても励みになります、ありがとうございます!! (8月29日 22時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 初めまして!お話とても面白いです!続きがとても気になります。お時間があれば書いて欲しいです! (8月8日 13時) (レス) @page9 id: 25cd72813f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Shiu | 作成日時:2023年5月17日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。