19話 ページ19
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電車が最寄り駅に到着。
降りようとする私に蓮くんが
少し背をかがめて目をじっと見つめてくる。
川尻「やっぱ心配やけん。途中まで送らせて？」
「……勝手にすればいいんじゃないんすか」
川尻「んははっなに怒っとーとぉ〜？」
笑いながらナチュラルに引かれる手。
しっかりと恋人繋ぎで気持ちの準備ができてない私は
もっと顔が赤くなってることだろう。
頭の中は、大学の最寄り駅からの会話でいっぱい。
「俺のこと好きでしょ」と言われ、
「彼女になって」と言われ。
優しくて人に気遣いができる人だと思ってたけど
結構…強気な一面もあることを思い知った。
……こんな早く好きバレするつもり無かったのに。
ぜんぶ蓮くんのペースなのが悔しくて
「言わなくても分かるんでしょ」って返す私に
「ちゃんとAちゃんの言葉で言われたい」ときっぱり。
とことん蓮くんのペースに呑まれてしまうのだ。
「…蓮くんは結構ずるい」
川尻「えぇ？なんでぇ」
「無自覚なのがタチ悪いんですよ」
川尻「なんのことかわからんよ〜」
「……ていうか、なに笑てはるんですか」
川尻「ん〜？んふふ。
なんか色々嬉しくて、笑っちゃう」
「…ふ、ふーん」
川尻「俺結構Aちゃんのこと好きよ」
「…っ、いきなり言うのやめてくださいよ。
全然気持ちの準備しとらんのに！」
川尻「んひひっ、じゃぁ言うときは
『気持ちの準備してください』って言ったほうがいーと？」
「それでお願いします」
そう答えれば口に手を当てて大きく笑う蓮くん。
その笑顔を見てたら悔しい気持ちも恥ずかしい気持ちも
どこかへ行ってしまう。
やっぱり、とことん蓮くんはずるい。
改札を抜けて家の方へ進む。
「さすがにお家まで着いてこられるのは怖いやろうし、
近くのコンビニとかあればそこまで」
というのが蓮くんの意見。
…彼氏なんだから、『怖い』とかあるわけないのに。
川西「え、姉ちゃん？」
家までの通りにあるコンビニの前。
見覚えのある子が出てきたなと思ったら
部活帰りの拓実だった。
私を見てびっくりしたあと、
蓮くんを見て軽く会釈をする。
川尻「弟さん？初めまして、川尻蓮です」
川西「川西拓実です。えっと…」
川尻「弟くん居ったら安心やね」
するりと離れる手。
蓮くんは私を見つめて微笑むと、
軽く頭を撫でてから「またね」と目を細めた。
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Shiu(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます！お返事が遅くなってしまってすいません…！最近ようやく私生活が落ち着き、他作品から完結に向けてお話を進めています。こちらのお話もきちんとした形に終わるよう更新する所存です、もし良ければお待ちいただけると幸いです…！ (4月10日 21時) (
レス) @page29 id: de23370fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 感情移入して泣きそうになりました…更新楽しみにしてます… (10月1日 3時) (レス) @page29 id: 69b32d86ae (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ななしさん» こんばんは！暖かくやさしいコメントをありがとうございます…！終盤直前で停止させてしまってすいません(；-；)完結させたい気持ちはとてもあります！また楽しく読んでいただけるようがんばります!!励みになりました、ありがとうございます！ (6月21日 19時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - コメント失礼します。主人公の性格も蓮くんも人間らしくて素敵で、読んでいて落ち着く(表現変かもしれません)お話でした⋯！更新まったり楽しみにしています✨ (2022年6月20日 15時) (レス) @page29 id: 791bab0b0f (このIDを非表示/違反報告)
Shiu(プロフ) - ^^さん» コメントありがとうございます！数少ない小説の中から見つけて下さりありがとうございます(*´-`*)妄想空想こじらせた小説ですが、実際の蓮くんはもっとかっこよくて魅力的な方です…！ぜひ堕ちましょう💓💞更新頑張ります！ (2022年6月9日 5時) (レス) id: 4d51508915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiu
| 作成日時：2021年9月8日 2時
