第六十訓「この宇宙を、天を、星を」 ページ10
『決めた。わしゃ宙に行くぜよ』
突拍子もなくそんなことを言い出した隣の黒髪天パ、名は坂本辰馬。チラリと横目で見上げるとそいつの瞳には黒い夜の空を映し出してるのに満天の星の様にキラキラ輝いていた。
『このまま地べたはいずり回って天人と戦ったところで先は見えちょる。わしらがこうしちょる間にも天人はじゃんじゃん来ちょるきに。押し寄せる時代の波にはさからえんぜよ』
そう言って自分達が居る屋根の上から下を見下ろした。下に居るのは地べたに座り込んでいる男達。戦に疲れ果て、意気消沈しているだろう
隣の男が下を見ているのに反して寝転んでた俺は空を見上げていた。こんなにも星々が輝いているのに何億光年と離れているからか辺りは全く明るくない。
『こんな戦はいたずらに仲間を死にいかせるだけじゃ。わしゃもう仲間が死ぬとこは見たくない』
俺だって
『これからはもっと高い視点をもって生きねばダメじゃ。そう地球人も天人も、いや星さえも見わたせる高い視点がのー……だからわしゃ宙に行く』
そう言いもう一度空を見上げたそいつの顔は、星と同じように輝く笑顔だった。
『宇宙にデカい船浮かべて、星をすくいあげる漁をするんじゃ』
高らかに宙へ向かって宣言した後、静寂が訪れた。隣で目を瞑った俺は黙ったまま寝たふりを決め込む。それを知ってか知らずか辰馬は俺に問いかけた。
『どうじゃ結? おんしゃこんな狭か星にとじこめておくには勿体ないデカか女じゃけー…………胸は小さいが』
聞き捨てならない言葉が聞こえて今すぐ起きてぶん殴ってやろうかと思ったがそうしたら相手の思うつぼ。額に青筋を浮かべながらも大人な俺は聞き流すことにした。
『………………わしと一緒に宙へ行かんか』
静寂の中、ポツリと響いたその言葉。寝たふりの呼吸も思わず止まった。
『もしこの
『余計なお世話かの……』とポソリと呟き俺の返事も聞かず勝手に終わらした。
『でも結、わしゃいつか本当のおまんが見れることを待っているきに。……高杉達が言ってた本当の”坂田結”に。…………あいつ等が言ってた様に結は______』
……………余計なお世話だよバカヤロー
第六十一訓「宇宙へご案内」→←第五十九訓「誰よりも高く、空へ天へと」
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撫子(プロフ) - 美結菜さん» 初めまして美結菜さんお返事と更新が遅くなり申し訳ございません。ありがとうございます!!少しずつの更新ですががんばります!! (2023年5月7日 18時) (レス) @page22 id: ba69f6c565 (このIDを非表示/違反報告)
美結菜 - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2023年2月14日 20時) (レス) @page21 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
撫子(プロフ) - 十六夜さん» 初めまして十六夜さんお返事と更新が遅くなり申し訳ございません。夜ちゃんと寝れてるようなら何よりです。続きを楽しみにしてくださりありがとうございます! (2022年11月23日 16時) (レス) @page20 id: ba69f6c565 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 続き気になりすぎて夜しか寝れません!!!更新待ってます! (2022年8月4日 21時) (レス) @page20 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
撫子(プロフ) - 遠井茜さん» 初めまして遠井茜さん。ありがとうございます!作品と共にイラストまで褒めて頂けるなんて嬉しいです!更新は遅いですが書き続けていきますのでどうかよろしくお願いします! (2021年8月9日 12時) (レス) id: ba69f6c565 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:撫子 | 作成日時:2020年11月15日 18時