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...
2日後、変わらない容態。
軽い傷は癒えてきていたので、意識はまだ戻っていないが
普通の病室へ移動になった土井ちゃん。
部屋が変わってすぐ、力二が飛び込んできて
点滴の刺さった腕を優しく撫でて
ぎゅっと手を握っていた。
その後も慌ただしく、来客が続きみんな
同じように声をかけて手を握っていく。
朝から続いていたそれもお昼過ぎには一旦落ちついた。
定期的に患部の確認をして、
俺も一旦腰を下ろした。
静かな病室に2人だけ。
聞こえてくるのは心電図の音と
微かな呼吸音。
鳥「…土井ちゃん、調子はどうだ?」
返事が返ってこないのはわかってるけど
そっと頭を撫でながら話しかける。
鳥「土井ちゃんは本当にすごいな、女の子なのに、こんな体張って守って。いつも頑張ってるのは知ってたけど、まさかここまでとは、おじさんもビックリだぞ」
-ピ、ピ、ピ、ピ、
鳥「また一緒に空飛ぼうな」
-ピ、ピ、ピピッ、ピピッ、
鳥「ははは、どんだけ空、好きなんだよ」
心電図の音が少しだけ弾んだ。
土井ちゃんが大好きな空の話。
そうか、ちゃんと、聞こえてるか。
鳥「土井ちゃん、あのさ
土井ちゃん…Aちゃん…
好きだよ」
-ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ
鳥「起きたら、また、伝えるからな」
腕時計が鳴る。交代の時間だ。
最後にもう一度頭をそっと撫でて
無線を入れる。
数分後、交代のメキが来たので俺は病室を出た。
...
メ「…立ち聞きするつもりはなかったんだけどな」
たまたま早めに病室についてしまい
話し声がしたので思わず立ち止まって
聞いてしまったの。
メ「Aちゃんモテモテで大変だね」
花瓶の花を手入れしながら話しかける。
天気がいいから、少し窓も開けよう。
メ「さっきのことは、ちゃんと内緒にしておくね」
...
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せぶみ(プロフ) - pompomさん» コメントありがとうございます!いつか終わりがきます、どうかその時がくるまで楽しんでいただけるよう頑張って書きますね! (5月6日 23時) (レス) id: 5df8dcb2ea (このIDを非表示/違反報告)
せぶみ(プロフ) - tama5さん» 暖かいコメントありがとうございます( ;ᯅ; )今後主人公がどうなっていくのか、どうぞ見守っていただけると嬉しいです! (5月6日 23時) (レス) id: 5df8dcb2ea (このIDを非表示/違反報告)
せぶみ(プロフ) - 桜さん» たくさんコメントありがとうございます!trnさんとの話はいつか書きたい!と思っていたのでちょい出しできてよかったですし、これから更に出てきますよー(`・ω・´)お楽しみに!! (5月6日 23時) (レス) id: 5df8dcb2ea (このIDを非表示/違反報告)
pompom(プロフ) - 更新が本当に楽しみなぐらい引き込まれる作品で何度も読み返してはワクワクドキドキしてます。終わらずずっと続けて欲しいぐらいです。ゆっくり無理せず更新頑張ってください! (5月1日 0時) (レス) @page37 id: 89147db5d4 (このIDを非表示/違反報告)
tama5(プロフ) - 占ツクでこんなにも涙した小説は貴女が初めてです、、素敵な作品に出会わせてくれてありがとう。どうか無理はせず自分のペースで綴ってください。次の更新を心よりお待ちしてます。 (4月27日 21時) (レス) id: fbbcfa8be4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せぶみ | 作成日時:2024年3月22日 10時