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 A 視点


A
「 っぐっ…!! 」


 他の雑魚呪霊に邪魔をされ、
 何かを企んでいる呪霊に近づかない。


 そんなこんなしているうちに呪霊は何かを終えたのか
 手を下げた。


A
( 前より呪力が濃い…!? )


呪霊
『 きヒィ…ヒひヒひ、ひヒヒひヒヒヒひひヒひ…!!!!
 あァ、存分ニ馴染む… 』


A
( 他の呪霊の呪力を自分の力にしたのか…、
 仕組み的には俺の " 玄武 " みたいなやつか… )


呪霊
『 考え事 』


A
「 な゛っ… 」


 嫌な音がして顔を殴られた。


 パタ、パタタと鼻から血が流れ、
 アスファルトを赤く点々と染める。


A
( 鼻が折れた…? )


A
「 ぃ゛っっ…! 」


 背中に加えて鼻、


 過去一の大怪我である。


A
( 反転術式…っ… )


呪霊
『 回復、ソんな暇ハ与えナい 』


A
「 !! 」


 呪霊の腕が自分の身体を貫く前に刀を間に入れる。


A
( 反転術式を使う際に少し長い " 溜め " があるということに
 気づかれた…っ!! )



A
「 ____ な、 」


 自分の呪力で刀身を纏い、強化していた刀は
 呪霊の攻撃を止めた衝撃で折れてしまった。


呪霊
『 オ前の攻撃ハ、刀ガ主、さァ、どウする、術師 』


A
「 っくそ! 」


A
( 呪力も反転術式の影響で底をつきかけ、
 半端な状況で " 玄武 " なんて使ったらどうなるか ____ )


 恐らくコントロールできずに自爆するだろう。


 そんな未来が頭をよぎった。










A
「 ____ がはッ… 」


呪霊
『 なんダ?ヤハりオマエはその程度なのカ…期待外レだ 』


 呪霊は俺の抉った腹を踏みつける。


呪霊
『 人間ハ脆い、実ニ悲しイ生き物だ 』

 
 そう言って呪霊は背中を向ける。


A
「 っ゛ ____ ま゛…待てっ… 」


呪霊
『 フらふラじゃなイカ、そんナ身体デ何ができルというのダ 』


呪霊
『 ____ !!! 』


A
「 まだ…勝負は、終わってねぇ…!! 」


 首に下がったロケットペンダントを握る。


A
( ____ 力を貸して…母さん! )


 手を祈るように組む。


 周りには淡い桜の花びらが出てくる。





A
( 俺が倒れても、コイツだけは絶対に祓う! )










A
「 " 領域展開 花鳥風月(かちょうふうげつ) " 」

拝啓 覚醒、術師として覚悟を決めた自分へ→←拝啓 呪いが笑う、この世界へ



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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/72190cc3072/  
作成日時:2024年4月20日 8時

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