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拝啓 特級被呪者の君へ ページ7

 拝啓 特級被呪者の君へ










 視点 なし


夏油
「 素晴らしい 」


 空中で夏油の出した低級呪霊がまとめて爆ぜた。





 " 呪言 " は狗巻家相伝の高等術式

 これを呪術を学んで一年未満の乙骨がやってのけた





乙骨
「 やっぱり難しいや、呪力が拡散して狙いが定まらない 」


乙骨
「 狗巻くんは凄いなぁ… 」


乙骨
「 そう、僕の友達は凄いんだ 」


乙骨
「 それをオマエは…オマエは… 」





 特級過呪怨霊折本里香の正体は変幻自在

 底なしの呪力の塊である。





夏油
「 益々欲しいね 」





乙骨
「 ぐちゃぐちゃにしてやる 」










夏油
「 生まれて初めての激情
 呪力が身体に満ち満ちているね 」


夏油
「 身体能力の向上、万能感、五感が研ぎ澄まされているだろ 」


夏油
烏合(うごう)共では相手にならないね
 直に叩くとしよう 」



 夏油はそう言い、
 呪霊の口から特級呪具 " 遊雲(ゆううん) " を取り出す。



乙骨
「 あわせろ " 里香 " 」


夏油
「 人は食物連鎖の頂点に立ち、
 更に高位の存在を夢想し 『 神 』 と呼んだ 」


夏油
「 おかしいと思わないか? 」


夏油
「 夢想せずとも我々呪術師がいるというのに 」




 乙骨と夏油の戦いは乙骨からの攻撃で始まった。


 刀と里香の攻撃を容易く呪具で受け流していく。





夏油
「 結局、非術師(猿共)は自分より秀でた存在から
 目を背けたいだけなのさ 」


乙骨
「 神になりたいなんて子供じみたこと言うなよ!! 」


夏油
「 論点がズレてるよ乙骨 」





 夏油の足元から呪霊が出てきて、乙骨を飲み込む。

 それを阻止しようべく刀で切っていく乙骨



乙骨
「 チッ 」


 
 呪霊に意識を持っていかれていた乙骨の顎に遊雲が入る。


 もう一撃入る、と思われたが里香が乙骨を回収した。



夏油
「 私が望むのは " 啓蒙 " ではない " 選民 " だよ 」


夏油
「 数が多いというだけで強者が弱者に
 埋もれ虐げられることもある 」


夏油
「 そういう猿共の厚顔ぶりが吐き気を催す程不快だと
 私は言っているんだ 」





里香
『 憂太憂太ぁ゛ 』


乙骨
「 大丈夫 ____ 慣れてきた 」





夏油
「 問答は終わりかい? 」


里香
『 あっ… 』


 乙骨は里香の手から離れ、地面に着地して
 ファイティングポーズをする。

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/72190cc3072/  
作成日時:2024年4月20日 8時

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