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拝啓 十八歳、特級術師の自分へ ページ5

 
 拝啓 十八歳、特級術師の自分へ

 








 A 視点


A
( …二万、、安いわ…
 呪術師やってると金銭感覚狂うな… )


A
「 これと、これ…あとそれもお願いします。 」


店員
「 は、はいっ…お買い上げありがとうございます!! 」


 いつも通り起きて今日はショッピングモールにやって来た。

 洋服やアクセサリーショップ、本屋、雑貨屋など
 目についた店から入っていく。


 滅多にない休みなので気になったものは
 片っ端からカゴへ入れて最後に厳選してレジへ通す。

 それを一時間ちょっとぶらぶらしていたら
 両手に買い物袋が沢山下がっている。


A
( 学生としての休日…嬉しすぎる、 )


 満足して昼食をどこで摂ろうかと考えていたその時、


 おもちゃ屋の前でぼろぼろと涙を溢している女の子を見つけた。


A
( …迷子かな、見たところ親いなさそうだし…四歳くらい? )


 見つけた以上、放っておくこともできなかったので、
 話しかけることにした。


A
「 …君、どうしたの?…お母さんか、お父さん…いる? 」


 しゃがんで女の子の目線に合わせる。


女の子
「 っ… 」


 うさぎのぬいぐるみを抱きしめながら首を横に振る。


A
「 あー…そっか、じゃあ()と一緒に
 迷子センターに行こっか。 」


女の子
「 ん… 」

 
 てちてちと歩く女の子の歩幅に合わせてゆっくりと
 迷子センターまで歩く。


A
( 荷物落とさないように注意しないと、 )


 迷子センターに到着して、
 女の子を係の方に引き渡した。

 女の子の名前は結衣(ゆい)ちゃんと言うらしく、
 歳は予想通りの四歳だった。


A
( ちょっと心配だからな、、
 時間もあることだし待ってよ。 )


 結衣ちゃんが座っているソファの隣に腰掛けて
 親御さんが来るのを待つ。

 係の方がアナウンスを入れていたので、
 親御さんも気づくだろうと思った。


A
「 結衣ちゃん、そのぬいぐるみ可愛いね。 」


結衣
「 …ままが、ゆいのためにつくってくれたの…、 」


A
「 作った…!?
 結衣ちゃんのお母さん凄いね! 」


結衣
「 !…ゆいは、ままだーいすき!
 おにいちゃんもままことすき? 」


A
「 !…あ、うん…、
 僕も大好き、だよ…! 」


結衣
「 んふふ! 」


 結衣ちゃんの純粋な笑顔を見ていたら
 日頃の疲れが吹っ飛んだ気がした。

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/72190cc3072/  
作成日時:2024年1月24日 20時

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