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 A 視点


 都会の街に馴染む豪邸、


A
「 …Aです、父親と話に来ました。 」


 門の前に立っている黒服に事情を伝えて、学生証を見せる。


黒服
「 確認出来ました、どうぞ中へ。 」


 と黒服の案内で敷地内に足を踏み入れる。
 

黒服
「 …その前に、そちらの荷物はここに置いて行って下さい。 」

 
 背負っている刀を見てそう言う。


A
「 っ…わかりました…。 」


 長い長い廊下を歩き、父親のいる所まで辿り着いた。

 
父親
「 …早かったな、A、 」


A
「 どうしても早く話をつけたかったですからね…、
 それに、来ないと高専潰すって言ったのはどこの誰でしたっけ? 」


父親
「 昔は口答えしなかったのにな… 」


A
「 俺をここまでにしたのはアンタ(父親)だよ。 」


A
「 俺を見て、愛してくれればこんなことにはならなかった。 」


父親
「 " 最後 " まで人のせいにするか。 」


A
「 当たり前だろ、そもそも最後ってなんだ…、 」


 その瞬間、後ろから何かがぶつかってきた。


 体幹は鍛えている為、倒れることはなかったが、


A
「 …は、…ごぽ…、 」


 恐らく背中から突き出しているのは刃、


A
( 包丁…?! )


父親
「 西園寺グループには出来の悪い奴は要らない。
 いた記憶すら必要がない。 」


父親
「 だから呼び出したのに…つくづくバカな奴だ。 」


 やれやれ、と肩をすくめる父親、


A
( …この包丁、抜いたら抜いたで出血多量になるかもしれない… )


A
「 っ…ナチュラル、に…殺人未遂じゃん…、 」


A
「 犯罪者…なっても良いのかよ… 」


父親
「 そいつは選んだ。
 このまま死ぬか、Aを殺して助かるか。 」


A
「 …、なんで、そんな天秤に…、 」


父親
「 今日、お前をここまで案内したのは
 私が出来損ないと以前言った養子だ。 」


黒服
「 ごめん、なさっ…ごめんなさいっ… 」


A
「 …きもいことするな、っ… 」


父親
「 私は完璧を目指しているんだよ、
 容姿端麗、文武両道、、な、 」


A
「 …? 」


 その時、父親を中心として真っ黒な霧が部屋を充満した。


A
( 負のエネルギーから、呪霊が出てくる…、 )


A
( 腐りすぎだろ、俺の実家… )


A
( 刀も取り上げられてるし、どーすっかな… )

 

 _→←拝啓 家柄に縛られ、呪われている自分へ



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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/72190cc3072/  
作成日時:2024年1月24日 20時

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