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 A 視点


A
「 ! " 玉犬 " 」


 森を走っていると、自分を抜いて何かが走り去っていった。


A
「 恵! 」


伏黒
「 西園寺先輩! 」


禪院()
「 A! 」


A
「 真希! 」


伏黒
「 呪霊はこの先です、相当強いと思います。 」


 森を抜けて浅瀬の川では既に四神の白虎と
 恵の式神である玉犬が特級呪霊と思われる奴と戦っていた。


A
「 " 西南 解除 " 」


 その言葉と共に少しだけ身体に呪力が回ってくる。


A
「 " 術式付与 白虎大霊槍 " 」


 蜘蛛の特級戦と同じように白虎の術式を刀に付与して
 変形させる。


特級呪霊
『 …こちらも良いですね。 』


A
( 脳に直接響くような、気持ち悪っ… )


 それから俺と恵と真希の三人と
 特級呪霊一体の攻防が続いた。


A
「 …ちっ、しぶと… 」


特級呪霊
『 少年少女より圧倒的な呪力を感じます…。 』


特級呪霊
『 …そこの少年、名前は? 』


A
「 …西園寺A、名前聞いて何になるんだ…。 」


特級呪霊
『 私の記憶に刻んでおきます。 』


A
「 へぇ…じゃあ俺もお前の名前を脳に刻んでやるよ。 」


花御
『 私は " 花御(はなみ) " です。 』


A
( 蜘蛛の奴と同等、会話が成り立っている…
 知能もそこそこある、 )


A
( 真希も疲弊してる、恵も術式が発動できないな… )


花御
『 よそ見、 』


A
「 !! 」


花御
『 人は何故か他人のことを気にする、
 だからこうなるのですよ。 』


 水飛沫と砂埃が晴れると恵は片膝をつき、
 真希は木の根で拘束されていた。


A
「 っ… ( 完璧な判断ミスだ、しくった… ) 」


 大霊槍を握りしめて一歩踏み出す。


花御
『 次動いたらこの少女の命はありません。 』


A
( 知能があると狡猾になる…
 人質(真希)を取られるとめんどいな… )


伏黒
「 ぐっ…げほっ… 」


A
「 恵!…なんだ、これ… 」


 恵の腹部からは気色悪い木の根が生えていた。

 ケヒッケヒッ、と笑う。


伏黒
「 この、っ… 」


A
「 恵、呪力を出すな…
 恐らくこれ呪力を吸って根を深くまで伸ばす。 」


花御
『 ほう、見抜かれました。 』


A
( 半分くらいの考えだったけどな、 )


 深呼吸をする。


A
「 …今から真希も恵も死なせずに、お前を殺す。 」


花御
『 良いでしょう、それでこそ呪術師です。 』

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/72190cc3072/  
作成日時:2024年1月24日 20時

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