学校生活でさえもコント. ページ10
. Aside
「あっ、ゴブッ……ケホケホ」
エナジードリンク味のジュースを口に含んだまま喋り出そうとして、胸元ビチャビチャな藤井くん
いや、ちょっとじゃなくてかなり天然？
「もぉ流星何してるん。飲み込んでから喋りぃや」
藤井くんのこぼしたジュースを、ポケットから出したハンカチで拭く神山くん
料理もできるみたいだし、お母さんっぽいかも
「うははっ、お前これもう伝説級やで。一生いじったろ」
それを見て、おもいっきり口を開けて笑う重岡くんはすごい無邪気だ
思考は、まるで5歳児
太陽みたいに笑う人だなと思った
〜♪〜
「やばっ予鈴鳴った、教室戻らんと」
神山くんの言葉に、みんな教室に向かいだした
重岡くんは廊下を走りながら振り向いて、歩いてる私たちに“はよ行かんと淳太に怒られんで”って煽ってくる
その中間先生は、廊下の向こうから現れて私たちからは見えてる状態
「あっ」
神山くんがそう呟いたと同時に、重岡くんが前を向き、中間先生と御対面
「げっ、淳太や」
「なんや重岡、人をバケモンみたいに。ってか廊下走んなって！何遍言ったら分かんねん、ほんま」
「淳太と違って若いから、走らんと死んでまうんですぅ」
「なんやその言い訳、はよ教室入れや」
重岡くんは中間先生に変顔を見せつけ、更に煽る
中間先生はそんな重岡くんを一切相手にせず、教室に入っていった
「ほんま、トムとジェリーみたいやな」
藤井くんがボソッと言った言葉に、私と神山くんは静かに頷いた
「あっ流星、制服洗ったるからジャージに着替え」
「ええって、もう時間ないし」
「ジュースは糖分多いからベタベタするし、この時期臭うで。はよシャツ貸して」
貸してと言いつつ、脱がせる神山くん
何かいけないものを見ているようで、慌てて目を逸らした
藤井くんはジャージに着替えるために先に教室に入ったみたいで、廊下の水道で神山くんと二人きり
「神山くんって面倒見がいいね」
「なんか、動いちゃうんよね。放っとけへんっていうか。母性本能くすぐられんねん、俺男やけど」
神山くんは少し悲しそうな顔で笑った
その先に触れられたくないみたいな
笑顔なんだけど、拒絶されてる感じだった
「……先に教室に戻るね」
いたたまれなくなって、少し逃げるように教室に入った
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作者名：楓 | 作成日時：2023年8月18日 14時
