似た者同士. ページ7
. 流星side
譜久村さんに群がるクラスメイト達
さっきまでは女子が多めやったけど、今度は男子ばっかり
連絡先を聞こうとしてるのか、スマホを出しながら話しかけたり
一緒に昼ごはん食べようと、購買に誘ったり
我先に仲良くしようと、あの手この手で譜久村さんの気を引こうとしてる
魂胆が見え見えやねん
譜久村さんは、机に弁当を出したまま固まっとる
お前らが邪魔で、弁当食われへんやんけ
「……流星？」
「なんか、動物園みたいやな」
しげに呼ばれて、とっさに思ってたことがポロっと出てもうた
「えっ？」
「行こ、パン売り切れるで」
俺は、譜久村さんの後ろを通り過ぎようとした
チラッと横目で見ると、男子達が俺に群がる女子達と同じ顔しとって
「ちょっと着いてきて」
「えっ!?」
気づいたら俺は、譜久村さんの弁当と手ぇ掴んで教室から出ていた
「ちょっ流星どこ行くん」
しげに呼び止められたけど、無視して先に進む
そのまま俺らがいつも昼ごはんを食べてる屋上の、ドアの前の階段の踊り場に着いた
「ごめん、いきなりこんなとこに連れてきてもうて」
「いえ、助かりました。ありがとうございます。えっと……」
「あぁ、手ぇ繋いだままやったな。それと弁当も。……はい」
俺は手を離し、弁当を渡した
「いや、そうじゃなくて。いや、それもあったけど……」
「流星、急にどしたん？」
俺らに追いついた神ちゃんに聞かれて、戸惑った
「いや、分からん」
「はぁ？分からんと連れてきたんか。俺らあの後のフォロー大変やったんやぞ。な、神ちゃん」
「ごめん……」
何でか分からんけど
女子とか苦手なんやけど
……何か助けたくなったんや
自分と重ねたんかな
「しげ、とりあえず購買行かんと」
「せやな、流星の分も買うてきたるから、譜久村さんとここで待っとき」
そう言うて、二人は走って行った
「……立ってるのもなんだし、座ろか。まぁ、階段しか座るとこ無いんやけど」
「いえ、大丈夫です」
譜久村さんは、階段に腰かけた
俺も譜久村さんの隣に座ったけど、何て話しかけたらいいか分からんかった
二人して無言のまま数分経った頃、譜久村さんが口を開いた
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作者名：楓 | 作成日時：2023年8月18日 14時
