ふくちゃんの意外な事実. ページ45
. 流星side
「ありがとう、助かるわ。でもほんまに大丈夫なん？」
「テストは、一夜漬け派なんだよね。だから、大丈夫だよ」
「へぇー、そうなんや。一夜漬けとかすごいな」
「待って、自信満々に言うことじゃないよね。テストは切り抜けられるけど、身にならないから全然すごくないし」
ふくちゃんは、そう言いながら苦笑いをした
意外やな
一夜漬けとかするタイプなんや
ってか、そもそも一晩で覚えられるだけもすごいけどな
「私、そろそろ帰るね」
「おん。来てくれてありがとうな」
「流星くん、無理しちゃダメだよ。水分しっかりとって、身体冷やさないようにしてちゃんと寝るんだよ」
「ふははっ、ふくちゃんおかんみたいやな。大丈夫、熱も下がってきたところやし、月曜日は行けるわ」
「じゃあまた学校でね」
ふくちゃんは、ドアが閉まるギリギリまで手を振ってくれた
部屋が急に静かになって少し寂しくなる
一人部屋やから、いつも一人のはずやのに
……弱ってるからかな
「せや、神ちゃんにお礼送っとかな」
流星神ちゃんありがとう
ふくちゃんから受け取ったで
喉乾いてたから助かった
神ちゃんさすがやな
俺の好み分かってるわ
さて、ノートでも写すか
ふくちゃんって丸っこい字書くと思ってたけど、意外に大人っぽい字書くんやな
……ん？
ペラペラとノートをめくって気づいたけど、ところどころ穴あきやな
見えへんかったんかな
お礼に書いといてあげるか
最近、しげとふくちゃん仲良さそうやな
この前も中間先生に注意されとったし
ようちょっかいかけてるし
やっぱりしげ、ふくちゃんのこと好きなんかな
おっ、このチャンネルおもろそうやな
“【リアルガチの催眠術】愛おしくてたまらない〜マジで♡”……か
この催眠術師、胡散臭い見た目やな
催眠術とかほんまにかかるんか？
まっ、見てみるか
───
〜♪〜
神ちゃんからメッセージや
バイト終わったんやな
この7人が意外におもろくて、他の動画も夢中になって見てもうた
神ちゃん流星、はよ元気になってな
ちなみに、あれ選んだのふくちゃんやで
えっ……そうなん？
ふくちゃんが選んでたんか
俺のこと見てくれてたんやな
何でか分からんけど、ふくちゃんの笑顔が頭に浮かんだ
お礼言いたいし、はよ月曜日にならへんかな
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：楓 | 作成日時：2023年8月18日 14時
