ラブラブな姿が想像できひん. ページ41
. 大毅side
まさか淳太に彼女がおるなんて……
英語の授業をする淳太を見ながら、聞かれたら怒られるようなことをボーッと考えていた
どんな人なんやろ
淳太面食いそうやから、美人さんなんやろうな
淳太と一緒で、先生とか?
学生の頃から付き合ってたんかな
彼女おるからって、モテてるとは限らへん
運動できひんし、筋肉なさそうやし、辛辣で毒舌
こんなやつの、どこを好きになったんやろ
気が利くわけでもないやろうし、とても女の人にモテるやつとは思えへんな
けど、改めて見ると顔が小さくて手足が長くてスタイルがいい
当たり前やけど、英語も得意
俺らのご飯代をさっと出せるってことは、金持ちか?
案外好きな子には、ゲロ甘かったりしてな
でも、唇おばけやしな
あの唇、キスとかする時ふわふわしてて気持ちええんかな
……いや、きっっっしょ!!
何で、淳太とのキスの感触を想像してんねん
今すぐ爆発しろ、この唇ゲルゲが!
「重岡くん、ちょっとノート見せてくれる?」
ふくちゃんが、声をひそめて俺に話しかけてきた
「ん?あぁ、ええよ」
変なこと考えてたからびっくりしたけど、悟られへんように平然を装う
机を若干寄せて、ノートを左側に置いた
淳太って筋力ないから、筆圧弱くてよう見えへんねんな
……あっ!
「呼び方、戻ってるで」
俺も、声をひそめて話しかけた
「だって……なんかまだ、違和感があるんだもん」
「しげって呼ばんと、見せへんで」
ノートを閉じて、いじわるしてみた
まぁそう言う俺も、まだすんなりは呼べへんけど
ふくちゃんは、目線を下に落とし口をつぐんだ
そして、意を決したかのように再度俺の目を見て、恥ずかしそうに口を開いた
「…………しげ、ノート見せて?」
耳まで真っ赤になったふくちゃん
ぶりっ子とかしてへん、自然な可愛さに頬が緩む
「おん、ええよ」
「おいそこ!さっきから何しとんねん。授業に集中しろ」
にやつきながら返事をした時、ちょうど淳太に見つかってもうた
クラス中の視線が俺たちに集まる
何とかせな
「あっいや……せや、淳太の筆圧が弱すぎて、黒板の字が見えへんねん」
「えっ、譜久村さんほんま?ごめんな、気ぃつけるわ」
あぶなっ
うまいこと方向転換できたんちゃうか?
俺たちは目を見合わせて、こそっと笑った
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作者名:楓 | 作成日時:2023年8月18日 14時