神は俺の味方か. ページ5
. 大毅side
関西の女子にはない雰囲気やし、ちっこくて可愛いらしい子やな
さすが、都会の子や
なにもかもが新鮮で、俺は譜久村さんから目が離せへんかった
緊張してんのか顔がこわばってて、俺は譜久村さんの緊張を解きたくて、淳太に絡んだ
まぁ絡んだところで笑ってはくれへんかったけど、目は合うた
俺は反射的に逸らしてもうて、感じ悪かったんちゃうかなと思って、もう一回見ようとしたら思わぬ言葉が聞こえてきた
「廊下側の一番後ろの、重岡の隣にしよか」
「はぁ!?」
こういう時は、流星の隣りなんとちゃうんかい
あいつも一番後ろやろ
それに俺、……隠れ人見知りやし
流星の方を見ると、神ちゃんと目が合うた
流星と何か話したあと、神ちゃんは窓の外を向いた
何や？……あとで聞き出したろ
「せや重岡、廊下に机と椅子あるから運んだって」
俺は淳太に言われるがままに、廊下に出た
「何で俺が……」
……いや待てよ、これは神様がくれたチャンスか？
転校生との恋……
隣やから話す機会も多いやろし、教科書見せたり、分からないところ教えたり
上級生に絡まれてるところを助けて、“重岡くんカッコいい！”って言われたりしてな！！
「何してんねん重岡、はよ運べや」
教室の前のドアから顔を出した淳太に呼ばれて、我に返った
机と椅子を持って教室に入り俺の横に置くと、前から譜久村さんが歩いてきて座った
うわっ、めっちゃええ匂いする
柔軟剤、どんなん使ってんねやろ
譜久村さんは、横に立ってる俺を見上げた
話しかけた方がええよな……
「えっと……俺、重岡大毅、……よ、よろしくな」
「シャイ岡大毅って呼んだってな」
さっきの仕返しとばかりに、淳太がにやついた顔で俺をいじった
「誰がシャイ岡やねん！」
クラス中が笑うなか、俺は淳太にツッコミながら自分の席に座った
チラッと横目で譜久村さんを見たけど、１ミリも笑うてへん
あぁ、俺の印象最悪や
.
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作者名：楓 | 作成日時：2023年8月18日 14時
