類は友を呼ぶんかな. ページ39
. 智洋side
あっくんの口から、“中間淳太”って出てきたもんやからみんなびっくり
知り合いってことよな？
世の中って、案外狭いんやな
「じゃあ、淳太くんの話によう出てくる“重岡”は、キミのことか」
「えっ、淳太俺の話するん？」
「めちゃくちゃ絡んできて、めんどくさいって言うてたで」
「おい！誰がめんどくさいねん」
しげのツッコミに、俺ら3人は吹き出してもうた
いつも中間先生は、無視せんとしげの応対してるけど、やっぱめんどくさいって思ってたんやな
「淳太くんってな、仕事の話あんまりせぇへんねん。でも重岡くんの話はするから、一度会ってみたかってん」
「へぇ、そうなんや」
お店のドアが開き、中間先生が入ってきた
死角になってるみたいで、誰も気づいてへん
ほんまに、こんな偶然ってあるんやな
「淳太くんにとってキミは、可愛い教え子っちゅうことやな。ああ見えて、グイグイ来る子好きやし」
「お前は何の話をしてんねん」
「いたっ」
頭をはたかれたあっくんは、痛そうに頭を押さえながら振り向いた
突然の中間先生の登場に、みんなめちゃくちゃ驚いてる
「おぉ噂をすれば、淳太くんやん！何しに来てん」
「客に向かって何しに来たんは無いやろ。コーヒー豆買いに来たんや」
「あぁ、せやったな。なっちゃーん、コーヒー豆来たで！」
「誰がコーヒー豆やねん。お前の方が似てるやんけ」
あっ……ここにおったわ、唯一のツッコミタイプが
長年連れ添った夫婦のような掛け合いで、漫才が繰り広げられていく
譜久村さんなんて、ずっと笑っててしんどそうやわ
「なんや、打ち上げか」
「青春やな。俺らもあったな、こんな時期。覚えてる？学校のさ……」
「いらんこと言わんでええねん、照史」
「なになに？何の話？」
「ええって。何でもないから」
「ちぇっ、淳太の弱み握れる思ったんに」
中間先生はお会計すると、また俺らの席に戻ってきた
「照史、ほんまにいらんこと言うなよ」
「きーこーえーまーせーん」
「お前、ほんましばくで」
「分かってるって。俺と淳太くんの秘密やもんな♡」
「♡付けんな、気色悪いねん」
「水くさいな、俺と淳太くんの仲やんか」
「みんなこんな大人になったらあかんで。気ぃつけて帰りや」
怒涛のボケとツッコミラッシュに、開いた口が塞がらへん
これが“ホンモノ”ってやつか
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作者名：楓 | 作成日時：2023年8月18日 14時
