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席の場所. ページ4

. 流星side





教室では、転校生の話題で持ちきりやった


男子と女子どっちなんやろとか、どっから来たのかとか


さまざまな憶測を立てながら、みんな転校生を待った





チャイムが鳴り、中間先生が転校生と一緒に教室に入ってきた




「おはようございます。えー、知っとる人もいるかもしれへんけど、転校生がこのクラスに来ました」




髪は、ミディアムロングのストレート


緊張してるってのもあるかもやけど、おとなしめで都会の子って感じ


背は低めで小動物感があって、綺麗系って言うより可愛い系やな


男子たちのテンションが、分かりやすく上がった





中間先生が、転校生の名前を黒板に書いて振り向いた


ん?読まれへんな


何て読むんやろ……




「ほんなら、自己紹介お願いします」


「東京から来ました。譜久村Aです。よろしくお願いします」




そう言うて、控えめにお辞儀をした


へぇ、“ふくむら”さんって言うんや


珍しい苗字やな





声は少し低めで落ち着く感じ


見た目しか分からんけど、モテるやろなってのが第一印象




「おい淳太!モテへんからって、手ぇ出すなよ」


「出すか!ってかモテるわ」


「犯罪やからな」


「うっさいな、重岡。それと中間先生な!」




しげによるお決まりのいじりに、笑いが起こった


早速、関西のノリを体感したであろう譜久村さん


めちゃくちゃ不安そうやわ




「騒がしくてごめんな。みんな、譜久村さんと仲良うしたってな。席は、そうやな……」




ドラマとかやと、一番後ろのやつの隣になりがち


生憎俺は窓際の一番後ろの席やし、ちょうど隣も空いてる


女の人に苦手意識がある俺は、身構えた




「廊下側の一番後ろの、重岡の隣にしよか」


「いや……主人……の流星の隣……んかい」




前の席の神ちゃんは、しげの方を見ながら何か呟いた




「ん?どした、神ちゃん」




上手く聞き取れず、思わず聞き返した



「んーん、何でもないで」



微笑みながらそう言うて、神ちゃんは窓の外に視線を移した


せや、しげも一番後ろの席やったな


俺は難を逃れて、心底ホッとした





.

神は俺の味方か.→←呪われそうやな.



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作者名: | 作成日時:2023年8月18日 14時

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