次から次へと. ページ30
. 智洋side
しげの提案した作戦がうまくいき、無事に綱引きで1位になれた
あの4組に綱引きで勝てるなんて思わへんかったから、めちゃくちゃ嬉しい
みんなで、手を取り合って喜んだ
「しげ、作戦成功やな」
「せやな流星、これで3組が一歩リードやな」
3組の待機場所に戻る最中、しげをみんなが称えた
しげもテンションが上がって、得意気に語り出す
俺と流星は、しげの後ろからその様子を見ていた
「なぁ、神ちゃん。1年生のダンスが終わったら、また移動やんな？」
しげが突然振り向き、俺に聞いてきた
「おん。ダンスのあとは、借り物競走やで」
「あっ！」
そう言うとしげは、俺と流星の後ろに向かって走り出した
「譜久村さん、俺ら優勝したで！」
「ﾌﾌｯ知ってるよ、見てたもん。最後負けちゃうかと思ったけど、よく勝てたね」
「あの作戦、俺が考えてん」
すごい自慢げにしげは言うたけど、ドラマの丸パクりやんけ
「ドラマのおかげのくせにな」
「それ、俺も今思ったわ」
俺らは顔を見合わせて笑った
「神ちゃん。しげってさ、譜久村さんのこと好きなんかな」
「えっ？」
「なんとなくやけど、譜久村さんと話してるときのしげって優しい顔してへん？ちょっかいも、他の女子に比べると多い気ぃするし」
「そうなん？」
譜久村さんと話してるしげを見るけど、俺は全然わからん
しげは元々かまってちゃんやし
スキンシップ多いし
人懐っこいからな
「まぁ、もしそうやったとしたら応援するわ」
「しげの恋愛する姿とか、想像できへんねんけど」
「俺からすれば、神ちゃんもやけどな」
ごもっとも過ぎて、言い返されへんかった
でも俺、めちゃくちゃ優しいし
お姉も妹もおって女心わかってるつもりやから、しげには負ける気せえへんし
しげなんて、ひたすらイタズラして彼女困らせるんちゃうか？
ってか、流星がモテすぎんねん
いろいろ大変なこと多いみたいやけど、正直羨ましい
幼稚園の頃は、俺もモテモテやったんやけどな
「ちょっと、重岡くん返してよ」
その声に視線を上げると、譜久村さんのハチマキを持って走るしげと
しげを追いかける譜久村さんとすれ違った
「ほら神ちゃん。しげ、またやってんで」
仮に好きでちょっかいかけてんねやったら、嫌われても知らんで
そう思いながら、3組の待機場所に向かった
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作者名：楓 | 作成日時：2023年8月18日 14時
