モノクロな世界に色彩を【JW_BLUE】 (ページ28)

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相手の体力. ページ28

. 流星side

開会式が終わり、体操の時間

神ちゃんが生徒代表として、朝礼台に立ち一礼をした

おなじみの音楽が流れ、ラジオ体操が始まった

ふざけてやってんのか、真面目にやってんのか

まぁ神ちゃんやったら、後者やと思うけど

キレがすごくて、まるでダンス踊ってるみたいや

リズムもぴったりで、指先までまっすぐ

こんなラジオ体操、今まで見たことない

反転して踊ってくれてるところが、さすがダンス部やなって思った

「神ちゃん、体操のキレとちゃうで。俺らそんなんマネできひんって！」

しげが大きな声で、神ちゃんにそう言うと

神ちゃんは照れたように笑て、今度はロボットダンスをし始めた

「せやから、無理やって！」

しげのツッコミと共に、全校生徒が一斉に爆笑した

───

『続きまして、全学年による綱引きです。綱を、引いて引いて引きまくってください！』

「いや、どんなアナウンスやねん」

俺は思わずつっこんでもうた

「ええから、引いて引いて引きまくんねん。一回戦目勝たんと、作戦考えた意味ないからな。な、神ちゃん」

「せやな。でも、1組のあのメンバーなら勝てるんちゃう？」

1組の人数は、俺らと同じくらい

向こうもこっちも男子しかおらんけど、1組の方が力の弱そうな男子が多い

強そうな男子も何人かおるみたいやけど、こっちにはしげがおる

しげは筋肉質で、力が強いからな

神ちゃんも負けず嫌いやし、勝てそうな気ぃする

『それでは両者、縄を持ってください』

～♪～

ピストルの音と共に、一番後ろのしげが叫んだ

「引けぇ！引くんや！みんな頑張れ！」

俺と神ちゃんは、真ん中辺り

向こうに負けへんように、懸命に踏ん張った

すると持久力が無いのか、向こうの力が若干弱まった気がした

「今や！引けぇ！」

いち早く気づいたやつの言葉を合図に、俺達は一斉に縄を引いた

すると向こうの体勢が崩れて、俺達は後ろに下がりながら尻餅をつくように倒れた

「よっしゃ！みんな、ようやった。次は決勝や！」

中間先生が拍手をしながら近づいてきて、みんなとハイタッチをしながら喜んだ

「流星、決勝も頑張ろうな」

「おん」

神ちゃんとしげの方を見ると、笑顔で俺らに手を振っていた

体育祭とかやる気なかってんけど

思いの外楽しくて、できるとこまで頑張ってみようかなって思った

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