モノクロな世界に色彩を【JW_BLUE】 (ページ27)

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元気すぎるやつ. ページ27

. 流星side

完全に晴れとは言えへんけど、梅雨の時期にしてはええ方やな

昨日も雨降らんかったから、グラウンドも大丈夫そうやし

気温は曇りの方が暑くなりすぎなくて、競技する身としてはありがたい

「流星、お前本気でやれよ」

体育祭のためグラウンドに向かう最中、しげが俺の肩に手を置いてそう言うた

「えー、めんどいやん。程ほどにやるわ」

「こんな適当なやつに勝っても嬉しないわ」

「俺は別に、しげと戦うつもりなんてないねんけど」

だるっ

なんで本気でやらなあかんねん

「足引っ張った方が、打ち上げ奢りやからな」

「ちょっ、そんなん聞いてへんって」

「今言いましたぁ！」

しげは大きい声でそう言うて、譜久村さんのところに走っていった

あいつほんまウザすぎやって

しげがこうやって無駄にテンション上がって、一人で勝手に話進めるとこほんま嫌いやねん

一人分やったらまだしも、4人分奢るのは嫌や

来月下の妹と、神ちゃんの誕生日あるから貯めときたいし

8月はしげの誕生日もある

やっぱ、あいつにはやらんでええか

「しげらしいな。はい、ハチマキ」

「ありがとう、神ちゃん」

“流星は絶対家に忘れてくるから”って、神ちゃんが預かってくれててん

神ちゃんからハチマキを受け取って、頭に巻いた

俺らは3組やから、黄色のハチマキ

ほんまは、青がよかってんけどな

3組の待機スペースに、パイプ椅子と荷物を置いて座った

「なぁしげさ、譜久村さんにもダル絡みしてんで」

譜久村さんの方を見ると、しげが譜久村さんのポニーテールを手で揺らして遊んでいた

譜久村さんは、心做しか少し迷惑そう

セットした髪いじられるの嫌やろうな

妹がそんな話してるの聞いたことあるわ

「ほんまや、譜久村さん可哀想に」

「俺の姉ちゃんと妹に同じことしたら、しばかれるわ」

「神ちゃん、今俺も同じこと思ったんやけど」

「しげにも姉ちゃんおるはずやのに、全然女心分かってへんよな」

「ほんまやな」

それにしてもさっきから二人は、なんの話してるんやろ

譜久村さんの首にかかってるカメラを指差したり

肩を手で小突いたり

あっ、譜久村さんと目が合うた

笑顔で俺らに右手を振ったあと、胸の前で小さくガッツポーズをした

頑張ってってことかな？

俺は神ちゃんと目を見合わせて、譜久村さんに向かって小さくガッツポーズをした

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