関西アイドル撮影会. ページ26
. Aside
明日は、いよいよ体育祭
私はリレーにしか参加しないから、練習とかは無いかな
学校で契約してるカメラマンがいるから、そんなに気にしなくてもいいと思うんだけど
誰がどの種目に出るのか、ある程度把握しておいた方がいいのかな
被写体がたくさんいるから腕を磨きたくて、顧問の先生に相談したら快く許可してくれた
練習の風景も撮っておこうかと、カメラを構えるとレンズ越しに重岡くんと目が合った
「カッコよく撮ってな」
そう言って藤井くんと神山くんと目を合わせると
どこかの男性アイドルグループ並に、ポーズをとったり表情を作り出した
いや、様になりすぎだし
アイドル向いてるんじゃないかな
「ふふっ。あっ、ちょっと目線反らす感じで。……いいですね……じゃあ次は、みんなで肩組んでもらって。……いやぁ、流石アイドルですねぇ」
カメラを構えながらそう言うと、重岡くんが吹き出すように笑った
「ふはっ、俺らアイドルちゃうし。譜久村さん、関西に染まってきたんちゃう?」
「みんなが応えてくれるから、楽しくなっちゃった」
重岡くんの言う通り、ちょっと関西に馴染んできたのかも
「せや譜久村さん、体育祭が終わったらさ、俺ら4人であっくんさんのお店で打ち上げせぇへん?」
「打ち上げ?」
「おん。俺と流星もさ、あっくんさん?と話してみたいねん」
「料理も楽しみやな、うまいって神ちゃん言うてたし」
そう言ってもらえてるなんて知ったら、あっくん喜ぶだろうな
それに、私を誘ってくれて嬉しい
心が温かくなって、満たされていく感じがする
「あっくんは、優しくて面白い人だよ。誘ってくれてありがとう。ってか、“あっくん”って呼んであげてよ」
「あっくんさんの方が年上やけど、ええんかな」
「そんなこと気にするような人じゃないよ。敬語とかで話されるのも、壁を感じるから好きじゃないんだって」
あっくんは、人の懐に入り込むのが早いし上手
出会った人みんな友達らしい
「よっしゃ、明日頑張るで!!」
「しげが張り切りすぎると、ろくなことないねん」
「神ちゃん、ほんまやな。しげ、程ほどにせぇよ」
「お前らも巻き込んだるわ」
そう言って重岡くんは、藤井くんと神山くんの間に入り、二人の肩を抱き寄せた
その姿をそっとカメラに収める
アイドルみたいな表情もよかったけど、3人の自然な笑顔は、何倍も輝いて見えた
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作者名:楓 | 作成日時:2023年8月18日 14時